大学院生のバイトはやめていい|私がM1の夏でやめた理由

目次

この記事でわかること

大学院生がお金をどこから持ってくるかを、第一種奨学金・親・TA・バイトの順に整理した図解
上から順に当たるほど、必要なシフトは減ります
あきら
✅ 私立の大学院に内部進学し、今は社会人2年目
✅ 飲食店のバイトは修士1年(M1)の夏でやめた
✅ TAは3科目、修了まで続けた
✅ 授業料免除とJASSO全額返還免除を取得

研究が進まないのに、バイトのシフトは入っている。これ、両方は無理だなと思っていませんか。

先に結論を書きます。生活費と学費のためなら、続けていいです。でも、服やデート代のような、なくても困らない支出のためなら、頻度を落とすか、やめてもいいかなと。

この記事は、バイトと研究の両立がきつい院生と、お金が足りなくて困っている院生に向けたものです。飲食店のバイトをM1の夏でやめてTAだけ続けた立場から、続けるかやめるかの線引きと、バイトの前に当たっておきたいお金の集め方をお伝えします。

結論:続けるかどうかは「何のためのお金か」で決まる

判断の基準は、シフトの数でも時給でもありません。そのお金を何に使っているかです。生活費と学費のためなら続けていいです。なくても困らない支出のためなら、削られている時間のほうが高くつきます。

私は飲食店のバイトを、M1の夏でやめました。ただ、稼ぐこと自体をやめたわけではなくて、TAは3科目そのまま続けていました。

何のためのお金か判断
家賃・食費などの生活費続けていい。ここは削れません
学費続けていい。ただし、その前に免除も調べてみてください
服・デート代・欲しいものやめてもいい。時間のほうが高くつきます
人と会う機会・気分転換頻度を落として残す。研究室の外の居場所になります

実際、バイトで研究時間を削られていると感じている院生は多いと思います。周りがどれだけシフトを入れていても、自分の基準で決めていいんですよね。

生活費と学費のためなら、続けていい

家賃や食費がバイト代で回っているなら、それは削れません。学費も同じです。ここを我慢して研究だけに時間を使っても、生活が立ち行かなくなったら元も子もないですよね。

私も「やめたほうがいい」と言い切るつもりはありません。必要な分を働きながら研究も進めているなら、それだけでかなりのことをやっていると思います。この記事で書きたいのは、そのうえで減らせるところがないか、という話です。

なくても困らない支出のためなら、時間のほうが高い

一方で、服やデート代のためにシフトを増やしているなら、一度立ち止まってみてもいいかなと。

学生ができるバイトの時給は、どうしても限られます。それでも時給が千円台後半と聞くと高く感じますし、都心ならもう少し上がることもあるでしょう。ただ、社会に出てからの1時間と比べると、もらえる額は小さくなります。長い目で見ると、自分の時間を安く売っていることになります。

もちろん、接客や段取りのように、残るものもあります。ただ、それは学部のうちに一度やれば十分身につくもので、院生の2年をかけて伸ばすものではないかなと。それでも「自由に使えるお金が初めて手に入った」と思うと嬉しくなるんですが、気づくと2年が削られているだけになりがちです。

同じバイトでも、研究に時間が要る段階になると意味が変わります。学部のころと同じ感覚でシフトを入れていると、削られる時間の重さが違ってきます。

まず一歩:直近1ヶ月のバイト代を何に使ったか、書き出してみる。生活費か、そうでないかだけで十分です。

お金をどこから持ってくるかには順番がある

一つ目が第一種奨学金を借りること、二つ目が親に借りること、三つ目がTAなど大学の中で稼ぐことです。そのうえで足りない分を、四つ目のバイトで埋めます。

生活費のために続けるとしても、いくら稼ぐ必要があるかは、どこから当たるかで変わります。

並べ方の基準は、その手段で自分の時間がどれだけ溶けるかです。奨学金は申請の手間だけで済みます。親に借りるのも時間はかかりません。TAは時間を使いますが学内で完結します。一番時間を持っていくのがバイトです。

「お金がないからシフトを増やす」は自然な発想です。私もそうでした。ただ、そこから入ると一つ目から三つ目を飛ばすことになります。上から順に当たっていくと、入れなければいけないシフトの数がかなり減ります。

一つ目:まず第一種奨学金を借りる

JASSOの第一種は無利子です。借りた額をそのまま返すだけなので、借りること自体では目減りしません。

奨学金というと「借金だから怖い」となりがちですよね。ただ、バイトと並べて考えると性格がまったく違います。

バイトで月に数万円を稼ぐと、そのぶんの時間は必ず出ていきます。奨学金なら、時間を差し出さずにお金だけ先に受け取れます。浮いたぶんを研究や、やりたいことに回せる。ここが決定的な差です。

しかも大学院の第一種は、家計の基準を本人(と配偶者)の収入で見ます。親の年収で判断される学部のときとは前提が違うので、「うちは無理だろう」と決めつける前に一度調べてみてください。

第二種は利子がつきますし、近年は利率も上がってきています。狙うならまず第一種です。家計の基準の具体的な金額と、第二種との違いは、別記事にまとめています。

The Egao Times
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免除が取れれば、時間とお金の両方が残る

第一種には、在学中の業績次第で返還が免除される仕組みがあります。私はこれを取りにいって、全額免除になりました。

借りたお金で時間を使わせてもらって、結果として返さなくてよくなる。そうなると、時間とお金の両方が手元に残ります。バイトで数万円を稼ぐのとは、話がまるで違いますよね。

ただ、これはあくまでプラスアルファです。全員が通るわけではありませんし、狙って外れることもあります。基本は借りるだけでも十分で、そのうえで「取れたら大きい」くらいの気持ちで目指してみてください。

狙うと決めた瞬間から、研究で何をどこまで出せばいいかがはっきりします。免除は研究の業績で判断されるので、免除を取りにいくことと研究を進めることは、やることがほとんど同じなんですよね。通らなかったとしても、そこで出した成果は残ります。そこで身についた研究の進め方は、社会に出てからも使えました。

授業料免除も、同じタイミングで調べておく

私は私立の大学院に進みましたが、1年目が全額免除、2年目が半額免除で、2年間で実際に払った学費はかなり抑えられました。「私立は高いから無理」と進学先の候補から外していたら、こうはなっていなかったと思います。

在学中に実際いくらかかって、どこまで下げられるかは、費用の記事にまとめています。

The Egao Times
大学院は実際いくらかかる?学費免除を取った凡人院生の本音 | The Egao Times 大学院は実際いくらかかるのか。学費・奨学金・研究費・学割の実態を、学費免除と返還免除を取った凡人院生が本音で整理。お金の不安の多くは思い込みで、制度を知れば負担...

二つ目:それでも足りないなら、親に借りて誠実に返す

一人で抱えすぎないでください。 一つ目まででどうしても足りないときは、家族に相談する手があります。利子もつきませんし、申し込みの審査もありません。

大事なのは、もらうのではなく、借りるという約束にすることです。将来ちゃんと返すと約束したうえでお願いします。そして社会人になった直後から、返済を自分の計画に入れておきます。

返し方は、返還免除が通って浮いたお金を充てるか、ボーナスが出たときにまとめて返すか。「いつか返す」ではなく、返すお金のあてを先に決めておくと、頼むほうも貸すほうも話がしやすくなります。

今の生活とお金の状況を正直に話せば、力になってくれる家族もいます。ダメもとで一度話してみる価値はあると思います。

もちろん、家庭の事情で頼れない人もいます。その場合は二つ目を飛ばして、三つ目に進んでください。一つ目の第一種奨学金だけでも、入れるシフトはかなり減らせます。

三つ目:TAなど、大学の中で稼ぐ

ここからは、自分の時間を使って稼ぐ話になります。ただTAは学内で完結するぶん、溶ける時間は小さくて済みます。

私が続けたのはTAでした。M1のときは3科目を担当していて、学外のバイトをやめられたのは、これがあったからでもあります。

TAは学内の仕事なので、学外のバイトのように移動時間がかかりません。研究室を離れる時間も短く済みます。

もちろん、TAの枠には限りがありますし、大学によって仕組みも違います。ただ「稼ぐならまず学内から探す」という順番で考えてみるのは、院生なら損はないはずです。取れなかったとしても、聞いてみたこと自体は無駄になりません。募集の時期が分かれば、次の学期に間に合わせられます。

四つ目:足りない分だけ、バイトで埋める

一番時間を持っていくのがバイトです。だから最後に置いています。

一つ目から三つ目まで当たったうえで、まだ足りないぶんをバイトで埋めます。この順番で進めれば、入れるシフトは最小限で済むはずです。

私の場合、奨学金が入った7月あたりでようやく余裕ができました。そこにTAの3科目ぶんの収入があったので、飲食店のほうは続ける理由がなくなりました。先に見直したのはシフトではなく、お金の入り口のほうでした。

まず一歩:一つ目から三つ目のうち、まだ手をつけていないものを1つ選んで、今週中に調べるか、誰かに聞いてみる。

クレジットカードがあると、立て替えの時期をやり過ごせる

院生は、学会の参加費や旅費のように、先に立て替える場面が出てきます。クレジットカードで支払いのタイミングをずらせると、立替金が戻ってくるまでの苦しい時期をやり過ごせます。

立て替えたお金は、あとから戻ってくることが多いですよね。それでも、口座から出ていってから戻るまでのあいだが苦しいんですよね。カードなら引き落としまでに猶予があるので、この苦しい時期を短くできます。

カードがあれば親に頼まなくても回せますが、立替代そのものを相談できる家庭なら、それも手です。「学会でいくら立て替えて、いつ戻ってくる」と具体的に説明できるぶん、生活費を借りるより話が通りやすくなります。返す約束はセットにしておくと、あとが楽です。

学生のうちにカードを作っておく話は、別記事にまとめています。

The Egao Times
大学生のクレジットカード入門|初めての1枚は何を選ぶ? | The Egao Times 大学生のクレジットカード入門。学生は実は作る絶好のタイミング。年会費無料・学生特典・審査の通りやすさと、初めての1枚の選び方を解説します。

まず一歩:次に立て替えが発生しそうな予定(学会・出張・書籍)を1つ書き出して、支払い方法を先に決めておく。

ゼロにしなくていい。研究室の外の繋がりは残す

ここまではお金の話でした。最後に、お金以外の軸の話です。

バイトを完全になくす必要はありません。研究室以外に人との繋がりがあると、気持ちのうえでかなり支えになります。

生活が研究室だけになってしまうと、うまくいかない時期に逃げ場がなくなります。バイト先は、研究とまったく関係のない居場所になります。週に何回も入る必要はなくても、繋がり自体を残しておけると心強いです。

やめるか続けるかの二択で考えず、頻度を落として残すという選び方があります。私は結果的にやめましたが、TAで研究室以外の学生と関わる機会は残っていました。それでも外との接点は減ったので、頻度を落として残せるなら、そのほうがよかったです。

院生生活は、気持ちの持ちようで進み方がかなり変わります。研究室の外に居場所をつくる話は、別記事で詳しく書いています。

The Egao Times
院生の自己評価が低すぎる理由と前を向くための3つの習慣 | The Egao Times 大学院生が自分を低く見積もってしまう構造的な理由を解説し、自信を取り戻すための具体的な習慣(書くこと・睡眠・外のコミュニティ)を院生時代を経験した立場から紹介。

まず一歩:やめるかどうかで悩む前に、「週2を週1にできないか」だけシフト担当者に聞いてみる。

空いた時間は、時給以上の価値があるものに使う

やめるにせよ、頻度を落とすにせよ、時間は空きます。そこを「とりあえず」で埋めてしまうのはもったいないです。院生の時間には、時給以上の価値があります。

バイトをやめること自体が目的ではありません。減らした時間を何に使うかで、2年の意味が変わります。

私は、スキルとして残るものに時間を使ってよかったと思っています。英語でも、統計でも、プログラミングでも、後から返ってくるものなら何でも大丈夫です。そして忘れがちですが、研究そのものが、その中でも大きなものの一つです。誰もまだ答えを出していない問いに向き合える時期は、そう何度も来ません。まるごと2年でなくても、週に数時間戻すだけで、研究の進み方は変わります。

目の前のお金は分かりやすいので、どうしてもそちらに引っ張られます。時給が入るのは今日で、研究の成果が返ってくるのは何年か先ですから。それでも、少しだけ先を見ておくと景色が変わります。

院生の2年をどう使えば後から返ってくるかは、別記事で整理しています。

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【体験談】大学院生がやるべきこと3つ|社会人2年目の実感 | The Egao Times 大学院生が在学中にやるべきことを、社会人2年目から逆算して3つに絞りました。研究では仮説を立てて試す進め方、雑用では人に動いてもらう力、自分軸では判断の速さが、気...

まず一歩:減らしたシフトの時間に何をするかを、先に1つだけ決めておく。空けるだけだと元に戻ります。

まとめ:シフトより先に、お金の入り口を見直す

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 続けるかどうかは、シフトの数ではなく「何のためのお金か」で決まる
  • 生活費と学費のためなら続けていい。なくても困らない支出のためなら、時間のほうが高くつく
  • お金をどこから持ってくるかには順番がある。一つ目が第一種奨学金、二つ目が親、三つ目がTAなど学内、四つ目が足りない分のバイト。時間が溶けない順です
  • 第一種は無利子。時間を差し出さずにお金だけ先に受け取れる。返還免除はプラスアルファで、取れたら時間とお金の両方が残る
  • 親に借りるなら、返す約束と返すお金のあてを先に決めておく。頼れないなら一つ目と三つ目だけでも十分です
  • 返還免除は研究の業績で決まる。免除を狙うことと研究を進めることは、やることがほとんど同じ
  • 学会費などの立て替えは、カードで支払いのタイミングをずらすと手元が苦しい時期を減らせる
  • ゼロにしなくていい。研究室の外の繋がりは、頻度を落として残す
  • 空いた時間は「とりあえず」で埋めず、時給以上の価値があるものに使う

働きながら研究を進めているだけで、もう十分やっていると思います。そのうえで、まずは何のためのお金かを1回だけ確かめてみてください。全部やめなくても、そこが分かるだけでシフトの入れ方は変えられます。

まず一歩:今週のシフトのうち1回分について、「これは生活費か、そうでないか」を決める。

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