この記事でわかること

あきら✅ 学会発表10件、奨学金は全額返還免除
✅ 研究室の雑用を学部3年から引き受けていた
✅ その雑用が、いまの仕事で一番役に立っている
バイトを減らして時間は空いたけれど、何に使えばいいか分からない。そんなところで止まっていませんか。
先に結論を書きます。やるべきことは、研究・研究室の雑用・自分軸の3つです。この3つに時間を使うと、仮説を立てて試す進め方・人に動いてもらう力・判断の速さが身につきます。社会人2年目のいま、実際に役立っているのがまさにこの3つでした。
この記事は、大学院の2年をどう使うか考えている方(これから進学する方も含めて)に向けたものです。在学中の視点で選んだものではなく、社会に出てから実際に役立ったものだけを逆算して選びました。私の実感としてお伝えします。
なぜこの3つなのか
仕事は、答えの決まっていないことを、人と一緒に、決め続けながら進める場面の連続だからです。研究・雑用・自分軸は、その3つにそれぞれ対応しています。
学生のうちは、成果物やスキルのほうが目に見えるので、どうしてもそちらばかり追いかけたくなるんですよね。ただ、働き始めると、一人で完結する場面はほとんどありません。
| 使い先 | 身についたこと |
|---|---|
| 研究 | 答えが決まっていないことを、仮説を立てて試しながら進めるやり方 |
| 研究室の雑用 | 人に動いてもらって、仕事を前に進める力 |
| 自分軸 | 判断の速さ。就活でいう自己分析に近いものです |
先に書いておくと、たくさんやったから身についた、というものではありません。学会1回でも、雑用1つでも、身につくものは同じでした。私はたまたま回数が多かっただけです。
そしてもう一つ、3つ全部に共通して残ったものがあります。それは最後に書きます。
院の2年の使い方そのものは、全体像を別記事にまとめています。


研究に使った時間は、仮説を立てて試す進め方になった
研究で身についたのは、専門知識そのものより、答えが分からないものへの取りかかり方でした。仮説を立てて、小さく試して、違ったら組み直す。この繰り返しです。
私は学会発表を10件重ねましたが、これが掴めたのは最初の1件でした。あとの9件は、同じことをテーマを変えて繰り返していただけです。準備して、聞かれて、答えられなくて、組み直す。これを一度やってみるかどうかで、ずいぶん変わると思います。
仕事でも、答えが決まっている作業ばかりではありません。やり方が決まっていないものに当たったとき、いきなり正解を出そうとせず、仮の形にして見てもらう。この進め方は研究で覚えたものです。
伝え方は、発表で内容を削るうちに身についた
発表は持ち時間が決まっているので、自分が話したいことを全部は入れられません。何を落として、どの順で見せるかを毎回考えることになります。
社会に出ると、同じことを何度もやります。限られた時間と枚数のなかで、相手に何を伝えるかを決める。学会のスライドを削っていた時間が、そのまま生きていると感じます。
研究そのものの進め方は、別記事で具体的に整理しています。


雑用に使った時間は、人に動いてもらう力になった
意外だったのが、この雑用です。当時は損な役回りだと思っていましたが、社会に出ていま繰り返し使っているのは、ここで覚えたことでした。
私は学部3年から修士2年まで、研究室の雑用をほぼ一手に引き受けていました。メールの返信、後輩の指導、共有フォルダの整理、イベントの運営。研究の時間が削られていくので、当時はしんどかった……。
といっても、一手に引き受けていたのは、たまたま人が少ない研究室だったからです。引き受けている雑用が1つ2つでも、覚えることは同じでした。
抱え込まずに、人に任せる
全部を自分でやろうとすると、たいていどこかで詰まります。私も就活が本格化したときに詰まって、持っていた仕事を後輩に引き継いでいきました。
任せるのは、丸投げとは違います。何をどこまでやるのかを言葉にしないと、相手は動けません。言葉にする過程で、実は自分の理解も整理されるんですよね。人に動いてもらうというのは、まずここから始まりました。
分からないことは、教えてもらいに行く
自分で抱えて止まるより、詳しい人に聞いたほうが速い場面はよくあります。研究室には、教授も助教も先輩もいました。聞きに行った回数のぶんだけ、そのあとが速くなりました。
聞ける人が近くにいなければ、他の研究室の先輩でも、同期でも構いません。一人で抱えないことのほうが大事でした。仕事でも同じで、詰まったら早めに聞きに行くと決めています。
同じ作業は、二度目からテンプレートにする
人に渡すには、渡せる形にしておく必要があります。一度やった作業をテンプレートや手順書にしておくと、二度目からかかる時間がほぼゼロになりますし、そのまま後輩に渡せます。私は署名やよくある質問集を作って、毎回それを使い回していました。
いま全部を手作業でやっていても大丈夫です。次に同じ作業が来たときに1つだけテンプレートにすれば、そこからでも十分間に合います。
雑用を速く終わらせる具体的なやり方は、別記事にまとめています。


自分軸に使った時間は、判断の速さになった
自分軸というのは、就活でいう自己分析に近いものです。何を大事にしたいかを書き出して、判断の基準にしていく。これがあると、迷う時間そのものが減ります。
急に「あなたの強みは」と聞かれても出てきませんが、書きためたものがあれば拾うだけで済みます。時間とお金の使い方も同じです。社会に出てからも変わりません。仕事は選択の連続なので、一つひとつは小さくても、迷っている時間の合計はかなりの量になります。
私はこれを、自分軸手帳という手帳に書いていました。奨学金の全額免除も、第一志望の内定も、結婚も、自分が何を大事にしたいかをはっきりさせて、時間とお金をそこに集中させられたから届いたものだと思っています。
続いた理由は、たぶん手帳の作りにあります。習慣化リストや、毎月の予定を立てて振り返るページが最初から入っていて、埋めているうちに勝手に習慣になっていきました。日記が三日坊主だった私が4冊目まで来ているので、根性より仕組みのほうだと思います(それでも何ヶ月か白紙の時期はあります)。
学生に4,000円前後は、正直ちょっと高く感じますよね。ただ、何をどう書けばいいか分からない状態から始めるなら、項目が用意されているぶん最初のハードルは低いです。いまを少しでも変えたい方は、気軽にのぞいてみてください。


3つに共通して残ったのは、人のせいにしない考え方
最後に、3つ全部から少しずつ身についたものを書きます。うまくいかないときに、人や環境のせいにしないで、自分で決め直すという考え方です。
研究が進まないとき、雑用に時間を取られているとき、就活で落ちたとき。どれも「環境が悪い」で説明できてしまいます。ただ、そこで止めると何も変わりませんでした。
研究のテーマがいまいちだと思うなら、自分で切り口を変えられないか探す。雑用が多いなら、渡し方を考える。落ちたなら、次の面接までに直せるところを1つ決める。自分で動かせる部分は、たいていどこかに残っていました。
もちろん、環境のほうを変えたほうがいい場面もあります。体調を崩すような研究室にいるなら、そこは動いたほうがいい。ここで言いたいのは、全部を自分のせいにしようという話ではなくて、自分で決められる部分がどこかにあるはずだと、一度だけ探してみる、くらいのことです。
この考え方が身についたのは、たぶん自分軸を書いていたことが大きいです。何を大事にしたいかを自分の言葉で決めていると、うまくいかないときも「じゃあ自分はどうしたいのか」に戻れます。人のせいにしている時間が、単純にもったいなく感じるようになりました。
そもそも時間が空かない、という方は、バイトの見直しから先に手をつけたほうが、話は早いかもしれません。


まとめ:気づいたら、できるようになっていた
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 研究の時間は、仮説を立てて試す進め方になりました
- 雑用の時間は、人に動いてもらって前に進める力になりました
- 自分軸の時間は、判断の速さになりました
- たくさんやったから身につくわけではありません。学会1回でも、雑用1つでも同じでした
- 3つに共通して残ったのは、人や環境のせいにしないで自分で決め直す考え方でした
当時は、雑用に取られている時間を損だと思っていました。それがいま一番役立っているのだから、何が身につくかは、やっているときには分からないものです。
だから、いま「これって意味あるのかな」と思いながらやっていることも、たぶん無駄にはなりません。いま使い道が見えていなくても、無理に決めなくて大丈夫です。
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