この記事でわかること

あきら✅ 奨学金(JASSO)全額免除、国際学会での発表や学会賞も
✅ 社会人になった今、あの時期の動き方を院進志望者に発信
学部4年で院進が決まると、卒論・院試・研究準備が一気に重なります。「もう決めたから安心」ではなく、ここからの動き方で修士のスタートが大きく変わります。
この記事は、院進を決めた学部4年生へ、内部進学で修士まで進んだ経験者の視点から、3年の1月から修士に入るまでのスケジュールをお伝えするものです。 先に結論を言うと、3年1月〜4年春は論文を読む時期、春学期は院試準備、夏は院試とその後の卒論テーマ決め、秋は卒論、冬は修士への助走。この順番で一つずつ進めていくのが着実だと思います。
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3年の1月から4年の春:論文を読んで研究テーマの位置づけをつかむ
ここに至るまでの学部3年の動き方は、前編にまとめています。


この時期は、最新の論文を読んでテーマの「位置づけ」をつかむのが最優先です。
3年の1月ごろから英語論文を読み始めた人も多いと思いますが、ここからは最新の論文に触れて、研究の動向を追っていきます。Google Scholarや学術データベースで、ベンチマーク論文(その分野で広く参照される基礎研究)とレビュー論文(分野全体の流れをまとめた論文)を集中して読むのがおすすめです。自分の研究がどこに位置するのかが、だんだん見えてきます。
あわせて、先輩や助教とのミーティングで、調べた内容を共有し、方向性を確認しましょう。週1回ほど時間をもらえると、進捗も管理しやすくなりますし、自分では気づけなかった点を指摘してもらえます。このやりとりを続けるうちに、情報を整理して要点をまとめる力も自然とついてきます。
ここで論文の読み方と自分のテーマの位置づけをつかんでおくと、4年の研究でも進学後でも動き出しが早くなります。
4年の春学期:研究の方向性と院試準備を並行する
春学期は、テーマの方向性を具体的に絞りながら、院試準備を始める時期です。
ベンチマーク論文やレビュー論文を踏まえて、「この手法に注目して、こういう方向で発展させると良さそう」という計画を立てていきます。
あわせて、外部進学を目指すなら、院試の準備が本格化します。志望研究室へのアポイントや訪問が必要になることもあります。
英語(TOEIC)は、理想を言えば学部3年のうちに終えておきたいところです。学部4年は、院試で問われる専門科目に時間を使いたいからです。もし目標スコアにまだ届いていないなら、4年の早いうちに最優先で終わらせて、専門対策に集中できる状態を作りましょう。
4年の夏休み(院試まで):院試対策と研究計画書を同時に進める
夏は院試がピーク。試験対策と並行して、研究も少しずつ前に進めておきます。
TOEICや専門試験の対策を集中的に進めつつ、研究計画書の完成度を上げていきます。あわせて、既存手法の理解を深めたり、実験計画やデータ収集を進めたりしておくと、秋からの卒論執筆や学会発表の準備になります。
この時期は、就職先が決まって夏を楽しむ同期の姿を見ることもあると思います。それでも、自分が選んだ道に自信を持って、目の前の研究に集中していきましょう。その努力は、秋の卒論と進学後の研究でそのまま活きてきます。
4年の夏休み(院試のあと):発表待ちの時間で卒論のテーマを決める
院試が終わってから合格発表までの時間は、卒論のテーマを決めるのに使うのがおすすめです。秋に方向転換で時間を取られずに済みます。


院試、おつかれさまでした。あれだけ準備してきた試験が終わって、しばらく何も考えたくないですよね。まず何日かは休んでいいと思います。
そのうえで一つだけ。発表まで1ヶ月近く空く研究科もあるので、そこを空けたままにすると秋がきつくなります。
待っている間、落ちていたらどうしようと考えてしまう人もいると思います。ただ、夏の院試に落ちたことで学年がずれるわけではありません。冬入試のある研究科なら、受かれば入学は夏に受かった人と同じ4月です。落ちた週にやること・研究室の選び直し・出願までの流れは、別記事で3ステップに整理しています。


ここで言う「卒論のテーマを決める」は、春から進めてきた研究のうち、どこを切り出して卒論にまとめるかを決めることです。研究テーマそのものを決め直すことではありません。
秋になってから「テーマの方向がずれていた」と気づくと、そこまで進めた分をやり直すことになります。秋学期は卒論を書きながら講義も学会もあるので、方向転換に使える時間がほとんど残っていません。だから、今のうちに方向だけでも決めておくと、秋の書き直しが減ります。
やることは大きく2つです。
- テーマと構成をざっと書き出す:完成形でなくて構いません。「何を明らかにしたいか」と「そのために何を示すか」を並べる程度で十分です
- 指導教員と話す日を先に決めておく:発表待ちのうちに一度方向性を見てもらえると、秋に書き直す部分が減ります
合格していれば、このテーマ決めはそのまま修士の研究に繋がります。私も、卒論でやったことを土台にして修士のテーマを組み立てました。学部と修士でまったく別のことを始めるより、卒論の延長で考えておいたほうが、進学後すぐに研究を進めやすくなります。
発表が数日で出た人も、秋に入る前に一度だけ、卒論の方向を指導教員と確認しておけば十分です。もう秋に入っている人も、慌ててテーマを変えなくて大丈夫です。今の方向のまま書き切るほうが、たいていうまくいきます。
4年の秋学期:卒論を書き切り、学会発表をするか決める
秋は、夏に決めた方向のまま卒論を書き切る時期です。学会発表は、修士で就職するつもりなら、学部のうちは無理に狙わなくていいと思います。
テーマを決め直すより、決めた線で書き切るほうが、この時期は結果的に早いです。
学会発表は研究業績として記録に残りますし、学部でそこまで進む人は多くありません。ただ、初めての発表は準備の負担もプレッシャーも大きいです。修士で発表するほうが向いている場合もありますし、修士での発表はJASSOの返還免除にも繋がります。
修士で就職するつもりなら、学部のうちは学会発表より先に、人と協力した経験を作っておくほうが役に立つと感じています。 面接で深く聞かれたのは、出した成果そのものではありませんでした。うまくいかないときに何を考えてどう動いたか、周りとどう協力したか。バイト、チームでのコンペ、後輩指導。どれか一つでも経験があると、選考で話せることが増えます。
ただし、修士で就職するつもりでも、次の4つのどれかに当てはまるなら、学部のうちに学会発表をしておく意味があります。
- 卒論のほかに、発表準備へ回せる時間がある
- コンペなど、人と協力した経験をすでに話せる
- 博士課程を考えている
- 研究を早く進めたい、という焦りがある
博士に進むなら業績は早いほど有利ですし、研究を先に進めたい人にとっては、学会の締め切りがそのまま研究を進める区切りになります。上の2つに当てはまる人は、学会に出しても卒論と就活準備を圧迫しにくい状況にいます。
すでに準備を進めているなら、そのまま出して大丈夫です。学部で一度経験しておくと、修士での発表がずっと楽になります。
なお、返還免除は申請の締め切り時点までに出した業績で評価されるので、修士で発表するにしても早く動くほど有利です。論文ゼロ・修士就職でも全額免除を取った具体的な戦略は、こちらにまとめています。


4年の冬から春:課題を整理して修士へ助走する
卒論を書き切った冬は、修士に入ってから始まる「就活・講義・学会」への助走期間です。
ここまで研究に向き合ってきたなら、進学後も落ち着いて対応できます。修士1年の春に学会発表、夏にインターン、秋に受賞や論文化へ。そんな流れも十分に狙えます。
冬の間に、卒論で解けなかった課題を書き出しておくと、それがそのまま修士の問いになります。学部の最後の時間を、助走期間としてうまく使いましょう。
修士で研究成果を効率よく出す具体策は、こちらにまとめています。


まとめ:学部4年のスケジュールを時期別に
ここまでの1年あまりを走り切ったあなたなら、修士ではここまでの経験を活かして研究に集中できます。就活でも、落ち着いて成果を出していけるはずです。時期ごとの優先順位を、最後にもう一度整理しておきます。
- 3年1月〜4年春:論文を読んでテーマの位置づけをつかむ
- 4年春学期:研究の方向性を絞り、院試(TOEIC・専門)準備を並行する
- 4年夏休み(院試まで):院試対策と並行して研究計画書を仕上げる
- 4年夏休み(院試のあと):発表待ちの時間で卒論のテーマと構成を決める
- 4年秋学期:卒論を書き切り、学会発表をするかは4つの条件で判断する
- 4年冬〜春:卒論で解けなかった課題を整理し、修士へ助走する
修士は新しい挑戦の始まりです。これまでの経験を糧に、一歩ずつ進んでいきましょう。応援しています。
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