この記事でわかること
あきら✅ M1の夏は国際学会を優先し、インターンはほぼ参加せず
✅ 面接で掘り下げられたのは学会の結果ではなく過程
✅ 学会発表がないまま大手に決まった同期を何人も見てきた
修士に上がったのに、学会発表もない。論文もない。研究がほとんど進んでいない状態で、就活が始まってしまった。
そんな状況だと、就活に出ていく資格が自分にはないような気持ちになりますよね。
この記事は、学会発表や論文がないまま就活を迎える院生へ、研究と就活を並行して修士のうちに内定をもらった立場から、なぜその心配がほとんど要らないのかをお伝えするものです。 理由は、選考の時期・見られる中身・競う相手の3つにあります。
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学会発表がなくても、修士の就活で不利にはなりません
理由は3つあります。①選考が、研究が形になる前に来ること。②面接で見られているのが成果ではなく過程であること。③研究職以外を志望するなら、競う相手の中心が学部生になること。 この3つが揃っているので、学会発表があるかないかで不利になることは、ほとんどありません。
ここでいう「研究成果」は、学会発表と論文のことだと思ってください。論文より学会発表のほうが身近なので、以降は学会発表で書いていきます。
① 選考の時期は、研究が形になる前に来る
修士の選考は、M1の秋から冬にはもう動き始めます。一方で、修士の研究がまとまった形になるのは、早くてもM2の夏以降です。
つまり、企業が選考をする時点では、成果を持っている人はほとんどいません。 学会発表を済ませている人のほうが少数派なんですよね。
企業側もそれは分かっています。分かったうえで採用のスケジュールを組んでいるので、「この時期に成果が出ていること」を前提にした選考にはなっていません。
私自身、内定をもらったのはM1のうちでした。同期を見ても、内定先と研究の進み具合に関係があるようには見えませんでしたし、学会発表がないまま大手に決まった人を何人も見ています。
② 学会発表をした私でも、掘り下げられたのは過程だった
ここが、この記事の中心にある話です。
私はM1の夏、インターンにはほとんど行かず、国際学会の準備に集中しました。つまり、就活の時点で成果を持っていた側です。
それなのに、学会の話題が出ても、その結果を深く詰められたことは一度もありませんでした。掘り下げられたのは、毎回過程のほうです。
行き詰まったときに何を試したか。指導教員や共同研究者とどうすり合わせたか。聞かれるのは、そういう話ばかりでした。
成果を持っていった側でこうだったので、成果そのものは評価の中心にないと考えていいと思います。逆に言えば、学会発表があっても、過程を話せなければ評価には繋がりません。持っている・持っていないで差がつく話ではないんですよね。
このときの動き方は別記事に詳しく書いています。夏をどう使ったかが気になる方はこちらもどうぞ。


③ 総合職で競う相手は、学部3年生
この記事を読んでいるのは、総合職や専門職を考えている院生が多いと思います。研究職を志望しているなら、次の章も読んでみてください。
総合職や専門職を志望するなら、選考で一緒に並ぶ人たちの中心は、研究に打ち込んできた院生ではなく学部3年生です。
そして、学部3年生と並んだとき、経験の量ではあなたのほうが上です。
学部4年で卒論をやっていれば、テーマを決めて、文献を調べて、データを取って、考察をまとめるところまで一通り経験しているはずです。ゼミ、輪読、コンペ、後輩の指導まで含めれば、その差はさらに開きます。
学会発表という一点だけを見て落ち込む必要はないと思います。
ただし、研究職を狙うなら条件が一つ変わります
企業の研究所や公的機関の研究職を狙う場合は、学会発表が見られることがあります。
ここまで読んで、「自分は研究職志望だから当てはまらないのでは」と思った方もいると思います。そこだけは先にお伝えしておきます。
研究職は「入社後すぐに研究を進められるか」を確認する採用なので、何をどこまでやったかが選考で見られます。専門分野の近い人が面接に出てくることもあり、そうなると中身にも踏み込まれます。ただ、聞かれるのは「どこまで分かっていて、どこが分かっていないか」なので、進んでいなくても答えようはあります。
打てる手もあります。選考まで時間が残っているなら、学会発表を一本入れておくと話せることが増えます。時間がなければ、進行中のテーマを「今、何を確かめようとしているか」の形で話せば十分です。研究職の面接でも、そこは受け答えできます。研究の進め方そのものを変える話は、別記事でまとめています。


もう一つの選択肢は、志望先を専門職まで広げることです。専門職は、研究そのものではなく専門知識を使って開発・技術営業・データ分析などをする職種で、研究の中身をそのまま活かせます。成果の量よりも「学んだことをどう使うか」を見られる場面が多いと感じています。
学会発表がなくても、ESに書ける経験はもうあります
探す場所は2つです。研究室の中と、研究室の外。 学会発表があるかどうかから一度離れて考えると、書けることはもう手元にあることが多いです。






研究室の中でやってきたこと
学会発表がなくても、研究室では毎週のように何かをやっているはずです。
- ゼミや進捗報告で、自分の考えを人に説明した
- 輪読で、読んだ内容を要約して伝えた
- 実験や解析がうまくいかず、方法を変えて試し直した
- 後輩に装置の使い方や解析の手順を教えた
- 指導教員と方針が食い違って、話し合ってすり合わせた
このあたりは、どれも「課題に向き合った経験」として書けます。うまくいかなかった話ほど書きやすいです。 順調に進んだ研究より、詰まって、考えて、動いた話のほうが、その人の考え方が伝わります。
研究室の外でやってきたこと
研究室の外にも、書けることはあります。
- アルバイトで、手順を変えて仕事が滞らないようにした
- インターンで、期限のある仕事を任された
- コンペやプロジェクトで、チームで一つのものを作った
- サークルや委員会で、人を集めて引っ張る側に立った
学部時代のものでも問題ありません。企業が知りたいのは「どんな状況で、何を考えて、どう動いたか」なので、その経験がいつのものかはあまり関係がないんですよね。
ESは「人と一緒に進めた経験」を中心に書きます
一人で出した成果より、人と一緒に進めた経験を書いたESのほうが、通りやすいと感じています。 資格やスコアは、欄を埋めるだけで十分です。
仕事はどこまでいってもチームでやるものだと思うので、企業は「この人と一緒に働けるか」を見ています。だからESでも、一人で完結した話より、立場の違う人とどう進めたかのほうが読まれます。
研究室は、学部生・院生・教員と、立場の違う人が同じ場所にいる環境です。そこで誰かと一緒に何かを進めた経験は、そのまま書けます。
研究についての記述は、短くまとめて構いません。専門用語を並べるより、誰が読んでも意味が取れる一文にしておくほうが効果があります。詳しく話すのは面接の場です。
まとめると、ESで意識したいのはこの3つです。
- 一人で出した成果より、人と一緒に進めた経験を主役にする
- 資格やスコアは、欄を埋めるだけにとどめる
- 研究の記述は短く、専門用語は一つまでにする
書き方に迷ったら、実際に通った人のESを見てしまうのが早いです。成果を前面に出していない人がどう書いているかを何本か読むと、自分の経験の並べ方が見えてきます。
面接で研究を聞かれても、成果の話はしなくて大丈夫です
聞かれているのは成果ではなく、専門外の人に伝えられるかどうかです。 面接官があなたの分野に詳しいことは、まずありません。
なので、何がどこまで進んだかを説明しようとしなくて構いません。どんな課題に向き合って、何を試して、そこで何を考えたか。話す中身をそちらに寄せれば、成果がなくても話は続きます。
ただ、伝え方には型があります。第一声をどこまで詳しく言うか、専門用語をどう扱うか、深掘りが来たらどこまで出すか。このあたりは一本の記事にまとめてあるので、面接が近い方はこちらを読んでみてください。


一つだけ気をつけたいのは、話を盛らないことです。研究が進んでいないなら、進んでいない前提で話せば問題ありません。人から聞いた話を自分がやったことのように話すのは、入社後にお互いが困ることになります。進んでいないこと自体は、面接では減点になりません。話し方さえ整えておけば十分です。
まとめ:今日からできること
学会発表がなくても、修士の就活で不利にはなりません。選考が、研究が形になる前に来ること。見られているのが成果ではなく過程であること。そして研究職以外なら競う相手の中心が学部生であること。この3つが理由です。
不安が消えないうちは、手を動かすのが早いと思います。
- 志望先が研究職かどうかを決める
研究職なら成果を取りにいく価値があります。それ以外なら、学会発表を気にする時間を自己分析に回したほうが効果があります。 - 研究室の中と外から、経験を5つ書き出す
うまくいかなかった話を優先して拾う。詰まって、考えて、動いた話ほど、その人の考え方が伝わります。 - ESは人と一緒に進めた経験を主役にする
資格やスコアは欄を埋めるだけ。立場の違う人とどう進めたかを前に出します。 - 研究の説明を一文にしておく
専門用語は一つまで。深掘りが来たら少しずつ足す形にしておくと、面接で困りません。
もう一つ、研究内容そのものを入口にする方法もあります。アカリクは大学院生と理系学生に特化した就活サイトで、研究内容を登録しておくと、それに興味を持った企業からスカウトが届きます。成果の数ではなく、何をやっているかで声がかかるので、学会発表がない時期でも動けるのが助かります。
研究が進んでいないことと、就活がうまくいかないことは、別の話です。今持っているもので十分戦えます。
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