この記事でわかること
- 教授と合わないと感じたときに、最初に確かめておきたいこと
- 学生の側で守っておく2つ(無断で休まない/締め切りを落とさない)
- 相談先を1人に絞らないほうがいい理由と、その組み合わせ方
あきら✅ 教授との相性で困った経験はなし
✅ ぶつかっている同期・後輩を近くで見てきた
✅ 研究を続けて奨学金は全額返還免除
教授と話したあと、いつも少しへこんで帰る。そういう日が続くと、あと何年これが続くんだろう、と思えてきますよね。この記事は、教授(指導教員)と合わなくてしんどい学生へ、私自身は相性で困らなかった側から、ぶつかっている同期・後輩を近くで見てきた範囲でお伝えするものです。 先にお伝えしておくと、用意しておきたい備えは3つあって、①教授の方針を聞いておく、②自分の側で2つだけ守る、③相談先を1人に絞らない、になります。同期や先輩との関係のずれ(横の関係)と、指導そのものが来なくて研究が止まっているケースは、この記事では扱いません。合わない相手を変えようとする話ではないので、いま気力が残っていなくても読めると思います。
まずは教授の方針を聞いておく
合わないと感じたときに最初にやるのは、相手を変えようとすることではなく、教授がどういう方針で指導しているのかを聞いておくことです。
合わないと感じている間は、どうやってこの人と折り合いをつけるか、というところに気持ちが集まりがちです。ただ、その研究室に入った以上、指導の内容も進め方も教授の方針で決まります。従ったほうがいい、という話をしたいのではなくて、そういう前提の場所にいる、というだけの意味です。だとすると、先に確かめておきたいのは、相手の人柄よりも方針のほうなんですよね。
方針が分かると、自分の進め方を決めやすい
聞いておくと楽になるのは、たとえばこのあたりです。進捗はどのくらいの間隔で持っていけばいいのか。ある程度まとまってから見せてほしいのか、それとも粗い段階でも早めに出してほしいのか。締め切りをどこに置いているのか。学会や発表の日程から逆算しているのか、各自のペースに任せているのか。
こういうことは、改まって時間をもらわなくても、ミーティングの終わりに一つ二つ聞いておけば答えが返ってくることが多いです。しかも一度聞いておくと、次に自分が何をどこまで出せばいいのかを、自分の側で決めやすくなります。私なら、合わないと感じた時点でむしろ先に聞いておくと思います。相手の考えが分からないまま推測で合わせにいくのが、一番消耗するので。
もちろん、聞いたところで方針が自分の希望と重なるとはかぎりません。それでも、重ならないということが分かっているのと、分からないまま毎回さぐるのとでは、しんどさがだいぶ違ってきます。
研究室ごとに前提はかなり違う
私のいた研究室には、コアタイムがありませんでした。いつ来ていつ帰るかは各自に任されていて、大事なミーティングにだけ出て、あとは自宅やカフェで作業している同期もいました。
これは、そうしたほうがいいという話ではありません。同じ大学の中でも、研究室によって前提がここまで違う、というだけのことです。だから、他のところで聞いた話や、入る前に思い描いていた形をそのまま自分の研究室に当てはめると、ずれることがあります。「普通はこうじゃないのか」と思っている部分が、実はその研究室の方針というだけ、ということもあるので、決めつける前に一度聞いてみるほうが早いです。
なお、配属の前に研究室をどう見ておくか、という話は別に書いています。


自分の側で守るのは2つだけ
学生の側で守るのは、無断で休まないことと、締め切りを落とさないことの2つです。 逆に言えば、それ以外まで無理に合わせにいかなくていい、と私は思っています。
合わないと感じている相手に対して、全部を合わせにいこうとすると、たぶんもちません。話し方も、進め方も、考え方も違うわけですから。でもこの2つを守っている限りは、方針が合わなくても関係が決定的に壊れることは、そう起きにくいんじゃないかと思うんですよね。逆にこの2つが崩れると、合う合わない以前のところで話がこじれていきます。
無断で休まない
合わないと感じているときほど、連絡が億劫になります。研究室に行くのが気重で、メールを開くのも後回しになって、そのまま何日か経ってしまう……という流れは、わりと自然に起きます。しんどい相手のことは考えたくないので、当然といえば当然なんですけど。
ただ、そこで無断で消えてしまうと、合わないという話ではなくなってしまいます。教授の側からは、方針が合っていないのか、体調が悪いのか、単に来なくなったのかが区別できません。区別できない状態が続くと、本当に困っている部分が伝わらないまま、別の問題として扱われていきます。
休むこと自体は、悪いことではありません。行けない日があるなら、一行でいいので先に伝えておく。「今日は行けません」だけでも、無断とは全然違います。合わない相手に連絡を入れるのは気が進まないと思いますが、ここだけは事務的に済ませてしまうのがいいんじゃないでしょうか。
締め切りを落とさない
もう一つが締め切りです。これは、教授の方針に納得できていなくても落とさない、というのが私の考えです。
納得していないものを期日どおりに出すのは、しんどいと思います。この方向でいいのか分からないまま手を動かすわけですから。それでも出しておいたほうがいいのは、落としてしまうと「合わない」の話が「できない」の話にすり替わってしまうからです。方針が合わないという相談をしたくても、締め切りを落としている状態だと、まずそちらの話から始まってしまいます。
完成度が高くなくても、期日には出す。方向が違うと思っているなら、そう思っていること自体を添えて出す。それだけでも、教授との話は「進め方の違い」についての話のまま続けられます。
補足:「逆らったら卒業できないのでは」という不安について
この2つの話をすると、そもそも教授に逆らったら卒業できないのでは、という不安が出てくることがあります。方針に合わせないと不利になるんじゃないか、という心配ですね。
私の見てきた範囲では、教授1人の判断で落第させたり卒業させなかったりというのは、今は起きにくくなっていると感じています。あくまで肌感覚ですし、制度としてどうなっているかを私が言える立場ではないのですが、少なくとも「機嫌を損ねたら終わり」と身構えるほどのことではないと思っています。
だからこそ、守るのはこの2つで足ります。全部を合わせにいって消耗するより、無断で消えないことと締め切りだけを手元に残しておくほうが、結果的に自分を守れるんじゃないかと思います。
相談先は1人に絞らない
相談先は1人に絞らず、別の教員2人と事務室、というふうに複数持っておくのがおすすめです。
研究室の中でしんどくなると、話を聞いてくれそうな人をひとり見つけて、そこにぜんぶ話す形になりがちなんですよね。気持ちはすごく分かります。ただ、その相手が教授とどういう間柄なのかは、学生の側からは分からないことのほうが多いです。相談した相手がその教授と敵対関係だった、ということも起こりえます。そうなったとき、困るのは相談した側なんです。
だから、この人なら大丈夫という1人を見極めようとするより、最初から複数に分けておくほうが気持ちが軽くなります。
本当に無理だと思ったら、事前に共有しておく
本当に無理だと思ったら、同じ学部の別の教員に、いまこういう状況ですということを共有しておく。ここでのポイントは事前に、というところです。何か起きてから初めて話しに行くのでは、相手にとってもいきなりの話になってしまう。先に一度でも耳に入れてあれば、最後のところで救われやすいと思っています。
「相談したことが教授にバレたら気まずい」という不安もあると思います。ただ、ここでやるのは告発ではないんですよね。誰かを悪者にしにいくわけではなくて、自分がいま置かれている状況を、教授以外の人にも知っておいてもらうだけ。そう整理すると、少しハードルが下がるんじゃないでしょうか。
それに、話した時点で気持ちがけっこう楽になります。ひとりで抱えている間は同じ考えが行ったり来たりしますが、口に出すと、思っていたより整理されていることに気づいたりする。そこだけでも十分に価値があります。
事務室は、手続きの話ができる相談先
もう一つ持っておきたいのが事務室です。ここは人と人の合う合わないを話す場所ではなくて、手続きや制度の話ができる先、という位置づけになります。提出物の扱いや制度上どうなっているのかといったことは、教授に聞きづらいときほど、事務室のほうが早く済みます。人の話をする相談先と、手続きの話をする相談先を分けておくと、片方に全部を背負わせずに済みます。
もし、言われ方がきつくて体調に出てきているとか、これはハラスメントではと感じる段階まで来ているなら、ここに書いた「先生2人と事務室」より先に、大学の相談窓口を頼ってください。どこにあるかは大学によって違うので、まず事務室で聞くのが早いです。
指導そのものが来なくて研究が止まっている、という場合は少し別の話になるので、こちらにまとめています。


まとめ:合わないままでも、備えは用意できる
教授と合わないと感じたときに用意しておきたい備えは、この3つでした。
- ①教授の方針を聞いておく:指導の内容も進め方も教授の方針で決まるので、推測で合わせにいく前に確かめる
- ②自分の側で2つだけ守る:無断で休まない、締め切りを落とさない。それ以外は無理に合わせにいかなくていい
- ③相談先を1人に絞らない:同じ学部の別の教員2人と事務室。本当に無理だと思ったら、事前に共有しておく
合う人に当たるかどうかは、正直なところ運の部分が大きいです。私は困らずに済んだ側で、それは自分が上手くやったからではありません。ただ、合わないままでも、この3つは自分の側だけで用意できます。相手を変えようとするより、ずっと現実的だと思います。
しんどい日は、まず一つだけでいいです。次のミーティングの最後に方針を一つ聞いてみる、でも、教員をひとり思い浮かべておく、でも。それだけで、少し息がしやすくなるはずです。






