# 修論と就活の両立|経験者が語る5フェーズの進め方
この記事でわかること
あきら✅ 第一志望から内定、学会発表は学部から複数回
✅ 奨学金(JASSO)の全額返済免除を取得
✅ M2は研究一本に絞り、修論・修了まで予定どおり
「修論と就活、どっちが先で、どう並行するんだろう」と悩んでいるM1の方は多いと思います。






結論から言うと、修論と就活はM1春から並行で進めるのがおすすめです。研究の土台を先に固めた上で、ウェイトを時期で可変に変えながら同時進行する。半年ずつ分けたり、M1秋から急に始めたりするやり方では、両方を残しにくいと感じています。この記事では、その進め方をB4〜M2の5フェーズに整理します。
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結論|”研究の土台”が固まれば、M1春から並行で進められる
修論と就活を両立できるかどうかは、M1秋の進め方ではなく、それより前に研究の土台が固まっているかで決まります。土台ができていれば、M1春から就活と並行で進めて、ウェイトを時期で可変に変えられる。これが、M2を研究一本にできるかどうかの分かれ目です。
これが、この記事で一番伝えたい話です。
「研究と就活、どう両立するんですか」と聞かれることが多いんですが、両立できる人とできない人の差は、M1秋の頑張り方ではなく、M1春に立っている地点にあります。M1春に研究の方向性が見えていない状態で就活を始めると、研究側が止まって、結局M2まで持ち越して両方が中途半端になりがち。逆に、M1春までに研究の土台が固まっていれば、その上に就活を並べても研究は止まらないんです。
院進そのものを迷っている人は、まずこちらで判断軸を整理しておくと、この先の話が立体的に見えます。


フェーズ1(B4〜M1春)|研究の”土台3点”を先に固める
B4〜M1春の最優先は、研究の土台3点を作りきること。①研究分野が決まっている、②その分野のサーベイがある程度終わっている、③ざっくりの研究方針が見えている、の3つです。ここに早く到達できているかどうかで、その後の並行が成立するかが決まります。
ここが、すべての出発点です。


① 研究分野が決まっている
研究室の中での自分の研究テーマが、ざっくりでもいいので決まっている状態。「先生から渡されたテーマ」でも「自分で持ち込んだテーマ」でもよくて、1ヶ月後の自分が研究室で何をしているかが想像できるくらいに固まっていれば十分です。
ここが曖昧なまま就活に入ると、面接で「今どんな研究してるの?」と聞かれて答えに詰まる。これは実は就活の打率にも直結する話で、研究テーマは早く固めるほど面接の素材としても効いてきます。
② その分野のサーベイがある程度終わっている
サーベイというのは、自分の研究分野の主要論文・先行研究をひと通り読んで、地図を頭に入れておく作業のことです。
ここを後ろ倒しにすると、「自分の研究は何が新しいのか」「どこに位置するのか」が言えない状態が続きます。M1春の段階で、自分の分野の主要な5〜10本くらいは読んでおくと、その後の研究も就活面接も急に楽になります。
③ ざっくりの研究方針が見えている
土台3点のうち、ここが一番難しいんですが、いちばん効きます。
「来年の今ごろ、修論の中で何を主張しているか」のざっくりイメージが見えていればOKです。完璧でなくていい、半年ごとに更新されていい。ただ、方針があるかないかで、研究室での1日の使い方が全然違ってきます。「今日は何のためにこの実験をしているか」が腹落ちした状態で動けるからです。
学部から学会発表を積んでおくと、この土台がM1春までに自然と固まります。学部からの学会発表の積み上げ方は、別記事で具体的に整理しています。


フェーズ2(M1春〜夏)|並行スタート、”ウェイトを可変で”変える
M1春からは、就活と研究を”常に並行”で進めながら、ウェイトを時期で可変に変えていきます。10段階で見ると、ESの締切が近い週は就活9:研究1、学会発表が近い週は研究9:就活1。固定の比率で半年ずつ分けるのではなく、その週・その月の山に応じてウェイトを変えるのが、両方残すコツです。
ここからが本題です。


ESの締切が近い週は、就活に寄せる
夏インターンのES締切は5〜6月に集中していて、ここは一気に就活ウェイトが上がる時期です。私は、この時期だけは研究のペースを一段落として、ESに時間を割いていました。
研究の土台が固まっていると、ここで1〜2週間ペースを落としても、戻したときに頭の中の文脈がほぼそのまま残っているんです。土台のある研究は、ペースを上げ下げしても崩れない。これがフェーズ1を先に固める意味です。
学会発表が近い月は、研究に寄せる
私は学会発表をM1の夏に控えていたので、7〜8月は研究9:就活1で進めました。就活のエントリーは絞って、ES提出も最低限。「就活をやらない」のではなく、「ウェイトをこの月だけ研究に寄せる」という言い方がしっくりきます。
ウェイトをうまく寄せられると、夏インターンの混雑期に振り回されず、自分の研究の山に合わせて動けます。
並行を成立させるための”持ち道具”
研究と就活のタスクを別々のノートで管理していると、ウェイトを変えるときに頭が混乱します。私は1冊にまとめて、その日にやったこと・次の山・寄せる方向を週単位で書いていました。自分軸手帳は週次で振り返れるレイアウトなので、研究の進捗管理にも、就活の自己分析にもそのまま兼用できます。
もう1つ、ESを書き溜める時間がうまく取れない時期に効くのが、研究内容を登録するだけで企業からスカウトが届くタイプのサービスです。アカリクは大学院生・理系学生に特化していて、自分の研究にマッチした専門職の求人が向こうから降ってくる仕組み。研究を進めながら就活の接点を切らさずにいられるので、ウェイト可変の動き方とも相性が良いと感じています。
フェーズ3(M1秋〜冬)|本選考、就活ウェイト10の日も生まれる
9月以降は本選考が本格化して、就活ウェイト10の日も普通に出てきます。それでも、就活の期日に少しでも余裕がある日は、研究を短時間でも触れて進めるのが効きます(ここは人による部分はあります)。
このフェーズは、ウェイトの揺れ幅がいちばん大きい時期です。
本選考は秋にピーク、ここで決めにいく
専門職枠・コンサル系・研究開発系の本選考は、9〜11月にピークが来ることが多くて、私自身もここに集中しました。夏インターンの混雑期が落ち着いて、本選考のメインステージに入る時期なので、面接やGD、最終選考が立て続けに入ります。
このフェーズは「就活ウェイト10」になる週も生まれます。それは普通のことで、無理に研究と5:5で並行しようとしないほうが、就活の打率も上がります。
期日に余裕がある日は、研究も進めておく
ただし、就活ウェイト10の状態を1ヶ月続けると、研究側がさすがに止まります。私は、面接やESの締切に余裕がある日は、研究室に顔を出して短時間でも実験を進めたり、論文を読み進めたりしていました。1日のうち2〜3時間でも研究に触れていると、フェーズ1で作った土台が崩れずに済むんです。
ここは正直、向き不向きがあるところで、「本選考期間中は完全に就活に振り切る」スタイルでも問題ない人もいます。自分のタイプを見極めて選んでください。
短期決戦の打率を上げるための準備
本選考は、面接・ES・テストが立て続けに入るので、内定者の選考フローを早めに把握しておくのが効きます。選考の進み方が見えていれば、限られた就活時間を本命の対策に集中して充てられるので、無駄打ちが減ります。
ESや面接の準備の中身、研究内容を面接でどう話すかは、別記事で詳しく整理しています。




フェーズ4(M1の3月→M2)|就活を終わらせ、研究一本へ
M1の3月までに就活を終わらせて、M2の春から研究に集中する。これが院生の理想ラインで、ここに乗ると修論・学会・修了が一直線につながります。
最後のフェーズは、就活の終わらせ方の話です。
終わるタイミングには幅がある
私自身はM1の1月で就活が終わりました。周囲を見ても、早い人はM1の年内(11月・12月)に内定承諾までいっていますし、逆にM1の2〜3月で決まる人もいます。
この3〜4ヶ月の幅は、行きたい企業の選考時期に依存するんですよね。納得できる第一志望の選考が冬に来るなら、そこに合わせて自然と終わる時期も後ろにずれます。早く決めることそのものより、「ここで決めたい」と思える内定先を取れることのほうが優先度は高いと感じています。
早く終わるほどM2に余白が生まれる
とはいえ、終わる時期は早ければ早いほど、M2の選択肢は広がります。M1の年内に終われば、年明けからは研究に振り切れるし、バイトを増やしたり、短期留学・卒業旅行・気になる勉強や趣味に時間を回したりもできる。
研究側でも、M2の春から修論の主軸データを取り始められると、夏の学会・冬の修論執筆までかなりの余裕が生まれます。期日に追われる感覚が消えるのが、早期完了の一番のメリットだと思っています。
“もうここで決める”と腹を決めて区切る
就活は、続けようと思えばいつまでも続けられます。だからこそ、区切りをつけるときは”もうここで決める”と腹をくくるのが大事。私はM1の冬に内定承諾を済ませて、M2の春からは研究側に完全に切り替えました。
「あの会社、もう一度受けようかな」を残しておくと、M2の研究時間に気持ちのリソースが分散し続けます。ここで切り上げるからこそ、M2の研究一本が成り立つ、というくらいの感覚で動くのがちょうどいいです。
就活の具体的な切り上げ方や、納得して終わらせるための自己分析の進め方は、別記事で詳しく書く予定です。
M2は研究・修論・学会が一直線につながる
研究と修論と学会は、ほとんど一直線でつながっています。研究で出した結果を学会で発表して、その積み重ねが修論になる。就活が止まっていれば、それ全部を計画的に積み上げていけます。
M2の景色は「研究一本に集中している時間」になります。両立で疲弊している同期と比べると、ここの差はかなり大きくなる印象です。
院卒の中長期のリターンを、年収ではなく “選択肢の数” として捉え直す話は、こちらでまとめています。


例外|商社・公務員志望は”もっと前倒し”が必要
商社・公務員を志望する人は、ここまでの5フェーズより、さらに前倒しで動く必要があります。商社の選考は夏前にピークが来て、公務員試験もそれに続く時期。社員とのコネ作りや基礎勉強の時間まで含めると、研究の土台と並行で進めるのはかなりタイトです。
ここは少しデリケートな話なので、やんわり書きますね。






選考時期が早い分、研究の土台が間に合わない可能性がある
商社・公務員の本選考や試験は、専門職・コンサル系より早く来ることが多くて、M1春〜初夏のうちに勝負がついてしまうケースがあります。そうなると、フェーズ1の「研究の土台3点」が固まり切る前に就活ウェイトが10に振り切る期間が出てくる、ということです。
これがどう影響するかは人によりますが、研究時間がまともに取れない状態でM2に入ると、修論で苦しむ可能性は単純に上がると思います。
「修士でやりたかったこと」を一度だけ振り返ってもいい
ここは強くは言わないんですが、商社・公務員志望でこのスケジュールがつらいと感じている人は、「自分が修士に進学した目的は何だったか」を一度だけ振り返ってみてもいいかもしれません。研究をしたくて院に来たのか、肩書きが欲しくて来たのか、なんとなくで来たのか。
院進の動機がはっきりしていれば、就活と研究の両方を押し通せます。動機が曖昧なまま忙しいスケジュールに突入すると、2年が終わったときに「何のために院に来たんだっけ」が残りやすい。これは、近くで見てきた同期から感じることです。
究極を言えば、就活優先で研究を後回しにする選択も、ある程度は仕方ない面はあります。次のポジションが決まらないまま修了の3月を迎えるのは、研究の遅れよりずっとしんどい。そこは責められる話ではないです。
ただ、できれば一度だけ「自分、何のためにこの大学院に来たんだっけ」と問うてみてほしくて。その姿勢って、たぶん社会に出てからもそのまま続くんですよね。戦略的に商社マンになるために修士に来た、みたいな熱い思いがあるなら、就活全振りでも全然いいと思います。そうじゃないなら、ちょっとだけ怖いな、と感じます。
研究室の中で「自分は何を取りに行くか」を見失わないコツは、別記事でもまとめています。


M2まで残ってしまったときの動き方
商社・公務員志望に限らず、就活がM2に残ってしまった人は、まず研究の見通しを先に立て直すのが効きます。応募社数を増やす方向で解決を求めると、研究側がさらに削れて両方が中途半端になります。
応募はスカウト型を併用するのもおすすめで、登録だけしておけば、研究の合間に届いたスカウトから自分に合う企業を選べます。応募側で考える時間を最小化できるので、研究と並行する時期に効きやすいです。理系・院生なら研究内容ベースでマッチする企業から届くタイプ、汎用的にプロフィールで届くタイプ、両方を併用する手もあります。
まとめ|土台を先に固めて、ウェイトを変える
この記事で一番伝えたいのは、修論×就活は「並行か一本か」の二択ではなく、「土台→並行→区切る」の順番で進めていくものだということ。 研究の土台を先に作って、その上で就活と並行しながらウェイトを時期で可変に変える。これがM2を研究一本にできるかどうかの分かれ目です。
要点を3つに整理しておきます。
- B4〜M1春に研究の土台3点を固める:分野・サーベイ・方針が見えていれば、その上に就活を並行で乗せられる
- M1春〜冬は並行、ウェイトを可変に変える:ES締切なら就活9:研究1、学会近くなら研究9:就活1。固定比率で分けない
- M1の3月までに就活に区切りをつける:M2の春から研究一本にできれば、修論・学会・修了が一直線につながる
研究室選びの段階から、自分の “日常” に合う場所を選んでおく話はこちら。


奨学金返還免除を、研究と就活の両立で取りに行く進め方はこちら。









