この記事でわかること

あきら✅ 学部4年で、卒論発表より前に国内学会で発表
✅ 修士では国際学会でも発表
✅ 現在は社会人2年目の専門職
卒論発表の質疑で何を聞かれるのか、答えられなかったらどうなるのか、発表が近づくほど気になりますよね。
この記事は、卒論発表を控えた学部4年の方へ、情報系の学部で卒論発表をした私が、発表会でよく出ていた質問と、発表までの準備、当日の答え方、発表後にすることをお伝えするものです。
よく出ていた質問は、実社会でどう役に立つか・あなたの貢献・新規性・今後の課題の4つで、答えられない質問は意図を聞き返すのがおすすめです。答えられない質問があっても、それだけで卒業できなくなることはない、と私は考えています。卒業できなくなる2つの場合は、末尾で書きます。
卒論発表でよく出ていた4つの質問|それぞれ何を聞かれるか
私が見ていた発表会でよく出ていた質問は、①実社会でどう役に立つか ②あなたの貢献 ③新規性 ④今後の課題、の4つです。4つとも、前日までに答えを用意しておくのがおすすめです(用意のしかたは次の章で書きます)。


私の大学では、卒論発表は形式上は研究室内の発表でしたが、同じ学科の人や先輩・後輩も聴講でき、審査や聴講に別の研究室の先生も来ていました。形式は大学・学部・学科によると思うので、以下は私が見ていた発表会の話として読んでください。
①実社会でどう役に立つか|研究の使い道を聞かれる
理系の発表では、「それが実社会でどう役に立つのか」と、研究の使い道をよく聞かれていました。
②あなたの貢献|研究室で代々続くテーマなら聞かれる
研究室で代々続いているテーマなら、そのことは先生も分かっています。だから、「そのテーマの中で、どこがあなたの貢献なのか」と聞かれます。
先輩たちがやった部分と、自分がやった部分の境目を聞かれている質問なんですよね。
③新規性|似た研究は世界中にある
自分の研究と似たテーマは世界中で研究されているので、「あなたの研究に本当に新規性があるのか」と聞かれます。似た研究と比べて、自分の研究のどこが違うのか、という質問です。
④今後の課題|聞き流していた先生も最初に質問する
ここだけの話ですが、先生は別の作業をしながら聞き流していることもあるんですよね。それでも発表の最後に話す今後の課題だけは聞いていて、まずその課題について質問してくる、というのが私の見立てです。
分野が違う先生も、同じようにここから聞いてくる印象があります。
発表までに準備すること|日頃から1つ、前日までに3つ
発表までに準備しておきたいことは、①日頃の研究で先生や先輩の意見をもらう ②4つの質問への答えを用意する(今後の課題は課題ごとに) ③研究の背景の説明を用意する ④研究室にあまり行っていなかった人は、受けた指摘を卒論と発表資料に反映する、の4つです。①は日頃から続けることで、②〜④は前日までにできることです。
①日頃の研究|先生や先輩の意見をもらっておく
質疑で詰められる印象があったのは、研究室に行かず、先生や先輩の意見をもらわずに一人で研究を進めてきた人が、卒論発表になってようやく顔を出す場合でした。逆に、研究室にあまり行っていなくても、先生や先輩の意見を少しでももらっていた人は、詰められていなかった印象です。
たとえば、先輩にチャットで質問する、週1回のコアタイム(研究室にいる決まりの時間)に顔を出して意見をもらう、といった関わり方でも問題ないと考えています。発表まで日がなく、今から関わり方を変えるのが難しい人は、④受けた指摘の反映から手を付けてみてください。
研究室に足が向かないまま発表が近づいている人へ。行きたくない原因を5つに分けて、別の記事にまとめました。読めば、自分の原因が5つのどれに当たるかが分かります。


②4つの質問|答えを用意しておく
4つの質問のうち、実社会でどう役に立つか・あなたの貢献・新規性の3つは、一言で答えられるようにしておきます。自分の研究が実社会でどう役に立つのか、先輩たちがやった部分と自分がやった部分はどこで分かれるのか、どこが新しいのか。発表の前に一度、声に出して答えてみてください。
今後の課題だけは、課題ごとに答えを用意しておくのがおすすめです。発表で挙げる課題を一つずつ書き出して、聞かれたら何と答えるか、その課題に取り組むと研究がこの先どう発展しそうかを書き添えておきます。今後の課題は、私の見立てでは、聞き流していた先生や分野が違う先生がまず質問してくる部分なので、ここは手厚く用意しておきたいところです。
③背景の説明|別の研究室の先生に伝わるように
別の研究室の先生が審査に来る発表会なら、発表の初めに研究の背景を説明しておくのがおすすめです(私の大学では来ていました)。研究室で日頃から発表を重ねていると説明には慣れますが、その発表は前提知識が似ている人に向けたものなんですよね。
研究室の人は前提を知っているので、新規性を説明すればすぐ伝わります。別の研究室の先生は分野も前提知識も違うことがあるので、研究室向けの説明のままでは伝わりにくいです。発表に慣れている人でも、背景を省いて研究室の中と同じように話してしまうのは、やりがちな失敗だと思います。
家族やパートナーに説明するなら、背景を先に話さないと、何の研究かが伝わらないじゃないですか。家族に説明するつもりで発表資料を見直して、伝わりにくいところに背景の説明を加えておいてください。
私が当日のために準備したのは、この背景の説明(別の研究室の先生にも通じる言葉選びも含めて)だけでした。学部4年で卒論発表より前に国内学会で発表していて(正直、苦しかったです)、同期や先輩・後輩とコンペにもよく出ていましたし、研究室内の発表も日頃からありました。準備がそれだけで済んだのは、こうした発表の経験が先にあったからです。
研究を専門外の人に話すコツは、就活の面接向けに別の記事にまとめました。読むと、専門用語をどこまで使い、研究の過程をどう伝えればいいかが分かります。


④受けた指摘の反映|研究室にあまり行っていなかった人は
研究室にあまり行っていなくて、これから卒論を仕上げる人は、これまで先生や先輩から受けた指摘を、発表までに卒論と発表資料に反映しておいてください。そこまでやっておけば、質疑は心配いらない、というのが私の考えです。
当日の質疑で知っておきたいこと|答えられない質問は意図を聞き返す
当日の質疑で知っておきたいことは、①本人が研究したと先生に伝われば合格できる(と私は考えています) ②答えられない質問は意図を聞き返す ③学部で卒業する人は、手を付けていない部分にだけ「今後の課題とさせていただきます」と答える、の3つです。
答える順番としては、まず前日までに用意した答えを話します。用意していない質問には、その場で思いつくことを答え、答えられなければ意図を聞き返します。学部で卒業する人は、それでも答えが出ず、本当に手を付けていない部分のときだけ「今後の課題とさせていただきます」と答えてください。
①合格のライン|本人が研究したと伝わればいい
卒論の質疑では、「AIがやったのでは」「本人がやっていないのでは」と思われずに、本人が研究したことが先生に伝われば、それで合格できると思っています。合格だけを目指すなら、用意のない質問は、思いついたことをそのまま答えれば十分なんですよね。
②意図を聞き返す|質問を自分の言葉で言い直す
答えられない質問が出たら、質問を自分の言葉で言い直して、「〇〇という質問ですか」と聞き返してみてください。私は学会や研究室の発表でこのやり方を使っていました。聞き返すと、先生は「はい、そうです」だけで終わらせず、質問の意図を補って話してくれました。そのうえで答えると、聞かれたことからずれずに済みます。






③「今後の課題とさせていただきます」|手を付けていない部分だけ
この節の「今後の課題とさせていただきます」は、聞かれた質問にこの一言だけで答えて済ませることを指します。発表で挙げた今後の課題について聞かれたときは、前の章で書いたとおりに用意しておいた答えを話してください。
本当に手を付けていない部分なら、「今後の課題とさせていただきます」と答えるのもありだと思います。ただ、学部で卒業する人は、まず自分で考え、分からなければ意図を聞き返して、それでも答えが出ないときだけこの一言を使うのがおすすめです。卒論発表が、その研究について発表する最後の場だからです。
その最後の発表で「今後の課題とさせていただきます」と言うと、質問した先生から「あなたも卒業するでしょ」と返されかねません。私は実際に、そう言われている人を見ました。とはいえ、そう返されただけで卒業できなくなることはない、と私は考えています(卒業できなくなる場合は末尾で書きます)。
修士に進む人なら、「あなたも卒業するでしょ」と返される心配は要りません。卒論を書き切った冬から春までを修士への助走期間としてどう過ごすかは、別の記事にまとめました。読めば、入学までに、いつ何をしておけばいいかが分かります。


発表後に忘れずにすること|質疑のメモ・提出物・手続きの3つ
発表後に忘れずにしておきたいことは、①質疑をメモして、どう答えればよかったかを振り返る ②提出物を出し切る(学部によっては修正した最終稿や回答書) ③学費などの振込や手続きが残っていないか確かめる、の3つです。提出物を出し終え、振込を済ませて、ようやく卒論から解放されます。
①質疑のメモ|どう答えればよかったかを振り返る
質疑で出た質問と、自分がどう答えたかをメモしておくのがおすすめです。そのうえで、どう答えればよかったかを振り返っておくと、受けた質問を糧にできます。
修士に進む人は特に、回答書などの提出が要るかどうかに関係なく、記憶が新しいうちにこの振り返りをしておいてください。
②提出物|学部によっては最終稿や回答書も出す
学部によっては、卒論発表で受けた指摘をもとに卒論を修正して最終稿とするところや、質疑に対する回答書の提出が要るところがあります。
何をいつまでに出すのかは、早めに友人に聞き、分からなければ事務室にも問い合わせておいて、発表が終わったら出し切ってください。
③手続き|学費などの振込が残っていないか確かめる
学費の振込が済んでいるかは、卒業の条件に直接関わるので(次の章で書きます)、自分ではっきり確かめておいてください。ほかに残っている手続きがないかは友人にも聞き、分からなければ事務室にも問い合わせておくのがおすすめです。
卒業できなくなる場合|学費・単位と、研究していない強い疑い
卒業できなくなるのは、次の2つの場合くらいだと思います。学費を納めていない・単位が足りないといった卒業の条件を満たしていない場合と、本人が研究していない(AIや別の人がやった)と強く疑われて再発表になり、それでもひどい場合です。
卒業の条件を満たしていない場合|質疑の答えでは結果が変わらない
学費を納めたかどうかや、単位が足りているかどうかは、数字で決まる条件なので、質疑でどう答えても結果は変わりません。
研究していないと強く疑われる場合|再発表、最悪の場合は卒業できないことも
強く疑われると、まず再発表になり、それでもひどければ、最悪の場合は卒業できなくなる、という流れだと思います。
この章の2つの場合に当たらなければ、質疑で詰められても卒業はできる、と私は考えています。
まとめ:4つの質問の答えを前日までに用意し、答えられない質問は意図を聞き返す
- 発表会でよく出ていた質問は、①実社会でどう役に立つか ②あなたの貢献 ③新規性 ④今後の課題、の4つです
- 日頃の研究では、先生や先輩の意見を少しでももらっておきます
- 前日までに、4つの質問の答え(今後の課題は課題ごとに、研究がこの先どう発展しそうかまで)と研究の背景の説明を用意し、研究室にあまり行っていなかった人は受けた指摘を卒論と発表資料に反映しておきます
- 当日は、答えられない質問は自分の言葉で言い直して意図を聞き返し、学部で卒業する人は、手を付けていない部分にだけ「今後の課題とさせていただきます」と答えます
- 発表後は、質疑をメモして振り返り(修士に進む人は記憶が新しいうちに)、提出物(学部によっては最終稿や回答書)を出し切り、振込や手続きを済ませます
- 卒業できなくなるのは、学費や単位の条件を満たしていない場合と、本人が研究していないと強く疑われて再発表になり、それでもひどい場合の2つくらいだと思います
卒論の質疑では、本人が研究したことが先生に伝われば、合格できると私は考えています。まずは、4つの質問に自分なら何と答えるかを(今後の課題は課題ごとに)書き出すところから始めてみてください。
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