大学院生がインターンで勝つ方法|院生経験者が徹底解説

「研究が忙しいし、インターンは後回しでいいかな…」

そう思っていた私が一転、参加してみて実感したのは——院生こそ、戦い方を知っていればインターンで抜け出せるということ!

本記事では、私自身の経験と、先輩や同期のリアルな声をもとに、「院生がインターンで評価される方法」をギュッとまとめました。面接・実務・同期との差別化、その3つに絞ってお届けします。

目次

インターンは“選ばれる側”から“選ぶ側”への第一歩

近年、インターンは就活の準備段階を超え、選考プロセスそのものに組み込まれています。
研究に没頭する院生にとって、就活との両立は容易ではありません。

ここでは「面接でどうアピールするか」「インターン中に差をつけるには何が必要か」「院生の中でも頭ひとつ抜けるにはどうするか」という、“戦い方”に焦点を当てて解説します。

時期別の戦略については以下を参照してください。

ポイント1|面接で伝えるべきは「専門性」ではない

まず、院生の面接でよくある誤解は「自分の研究テーマがユニークであれば評価される」という考え方です。

しかし、企業が求めているのは「その研究内容そのもの」ではなく、
「その人がどう考え、どんな価値観を持って研究に向き合ってきたか」です。

「私は、ディープラーニングを用いてCT画像から肺がんを早期検出するアルゴリズムの精度向上に取り組んでいます。ResNetをベースに、Attention機構を組み合わせた新しい構造を提案しました。」

このように、いきなり専門用語を羅列して詳細に語っていませんか?

面接官の多くはその分野の専門家ではありません。むしろ「一緒に働いたときに複雑なことをかみ砕いて説明できる人なのか?」という視点で見ています。

企業は、対話を大切にしています。だからこそ、最初から一人で説明を完結させるよりも、「こんなテーマに取り組んでいます」と広く投げて、相手の質問を待つスタイルのほうが、自然なコミュニケーションの流れになるのです。

この時に見られているのは「専門外の相手とも円滑にやりとりできるか?」「自分の知識を噛み砕いて、相手に合わせて話せるか?」といった伝える力です。

「医療画像をAIで解析して、肺がんの早期発見を支援する研究をしています。」
「特に“いかに早く、かつ正確に異常を見つけるか”にこだわって、AIの構造や学習データの工夫をしてきました。」

このように、まずは「なぜその研究をしているか」や「何にこだわってきたか」を一言で伝え、その後に技術の話を展開することで、相手に伝わりやすくなります。

もちろん、応募先が専門職(研究開発職など)の場合は、技術的な深掘りも必要です。
ただし、それでも“話の順序”や“相手の理解レベルへの配慮”は変わりません

むしろ専門職こそ、「技術を通じてどう価値を出すのか」を語れる人が重宝されます。

ポイント2|インターンでは「積極的傍観者」ではなく「共創者」

正直に言うと、前章で述べた「伝え方」ができる院生は、インターン選考の通過自体はそこまで難しくありません。SPIはやれば誰でも通るし、ESも先輩や同期、あるいは私のような経験者のSNSチャットに投げてブラッシュアップすれば短期間で仕上がります。

むしろ本当の差がつくのは、「実際にインターンに参加してから」
ここで評価されるかどうかが、内定直結の長期インターンや次の選考フェーズに呼ばれるかどうかを大きく分けます。

ところが、インターンに参加する大学院生の多くは、「とにかく失敗しないように」と慎重になりがちです。確かに、初めての実務の場では無理もありません。ただ、何も発言せず「様子見」に徹する姿勢は最も損をする行動でもあります。

「発言しなきゃ評価されない。でも、出しゃばるのも怖い」

このジレンマ、よくわかります。私自身も初めてのインターンでは、何をどこまで言っていいのか分からず、意見を飲み込んでしまったことがありました。
でも、後から評価シートを見せてもらったときに書かれていたのは「課題の本質理解や仮説の提示が弱く、受け身な印象」というコメントでした。

企業が見ているのは「思考と姿勢

短期インターンで成果物の完成度よりも重視されるのは「限られた情報と時間で、どう仮説を立て、どう他人と協働しようとしたか」です。だからこそ、「共創の構え」を見せることが何より重要です。

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とるべき行動評価される理由
初日「全体目標」と「自分の役割」の仮説を持ち、確認の声かけ指示待ちではなく、目的意識を持った姿勢が伝わる
中盤会議内容を整理し、論点やタスクを要約・共有チームの思考を言語化・加速できる人は重宝される
終盤初日に立てた仮説・目標に対し、「何を達成し、どこが未達か」「なぜそうなったか」を振り返るPDCAを自走できる=継続成長する人材と認識され、企業側が「投資したくなる」人になる

最終的に、インターンで院生が評価されるかどうかは、「どれだけ賢いか」ではなく、自分の行動を目的に結びつけて説明できるかどうかにかかっています。

つまり、目的意識を持って動き、その中での試行錯誤や気づきを言語化し、次にどう活かすかを考えられる人こそが、「この人は今後も自走して成長していく」と期待され、印象に残るのです。

逆に言えば、成果物がどれほど優れていても、「なんとなくやった」「指示されたからやった」では、残念ながら評価は上がりません。

行動の背景にある「なぜ」を自分の言葉で語れること。そして、次につながる学びへと昇華できること。
この力こそが、短期間のインターンであっても、あなたを「共創する仲間」として企業に強く印象づける最大の武器になります。

ポイント3|技術力×伝達力×ビジネス理解でリードする

インターン選考を通過し、現場でもある程度アウトプットできる院生は少なくありません。だからこそ、「院生同士の中でどう抜け出すか」が次の勝負になります。

では、同じように優秀なバックグラウンドを持つ院生たちの中で、一歩先に行くには何が必要か?
答えはシンプルです。技術力、伝達力、そしてビジネス理解。この3つをバランスよく備えているかどうか。

よくある誤解として、「研究室での実績やスキルがあれば、それだけで高評価される」と思われがちですが、実際の評価軸はもっと現場的です。

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評価の観点❌よくいる院生⭕️頭ひとつ抜ける院生
技術力学会発表、研究スキルを説明成果の応用先も語れる
伝達力結果を報告できる結論ファーストでありつつ、相手の欲しい情報を言語化できる
企業理解サービス内容・理念を一応調べた「この会社が大切にしている価値観」に自分の経験や思考を重ねて語れる。意思決定や文化にも言及できる

こうして見てみると、「優秀さ」そのものでは差がつかないことがわかります。

研究内容やスキルセットが似ていたとしても、その人が「なぜそれをやってきたか」、そして「それを企業でどう活かしたいと思っているのか」まで言語化できるかどうかで、評価は大きく分かれます。

つまり、企業が知りたいのは「あなたが何をやってきたか」より「あなたがなぜそれをやって、どう考えてきたか」です。

そして、それがこの会社と本当に合っているのか。

この視点にしっかり答えられる院生こそが、他の候補者より一歩先を行く存在になります。

特に大学院生は、専門性や論理性で「強さ」を出せる立場にいます。だからこそ、その強さが企業の文脈でどう役立つかを自分の言葉で語れるようにしておくこと。

それが、選考の最終盤——つまり内定を左右する分水嶺になります。

「戦い方」を知っている院生が勝つ

インターンは単なる「就活の準備」ではありません。むしろ、自分の強みを試し、他の院生と差をつける最初の本番です。

面接では、専門性よりも「伝え方」が問われます。インターン中は、成果よりも「共創する姿勢」が見られます。そして最後には、あなたの思考と価値観が、その企業にフィットしているかどうかが試されます。

つまり、研究で鍛えた力をどう見せ、どう伝え、どうつなげるか。そこに戦略があるかどうかで、インターンの成果は大きく変わります。

研究との両立が気になる方は、別記事も参考にしてください。

院生だからこそできる準備とアピールの方法を知って、受ける立場から、選ばれる存在へ。次にインターンの募集を見たとき、迷わず応募できる自分になっていれば、この記事の役割は十分果たせたと思います。

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