大学院進学を決断したものの、「何を準備すればいいの?」「どう進めればいいの?」と迷う学部3年生の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、早い段階から研究室に入り浸り、様々な学年や人を見てきた現役院生が、大学院進学を目指す3年生がやるべきことを具体的にご紹介します。
もちろん専門分野や研究室によってスケジュールは異なりますが、私の周りで実践されてきた一例を参考にしていただければと思います。
なお、学部4年生のタイムスケジュールについては、別の記事で詳しく解説していますので、そちらもぜひご覧ください。

3年生の春学期:基礎を固める勉強会のすすめ
大学院進学を目指すなら、3年春学期は基礎を固めるための勉強会を始めるのに最適な時期です。
この時期には、知識や論文を読む力を身につけるために、まず本をきっちり読むことが重要です。
特に、英語で書かれた専門的な本は難解であり独学では挫折しやすいので、同期や先輩と協力し、勉強会を通じて知識を共有しながら進めることをおすすめします。
例えば、勉強会では課題を設定し、それぞれが学んだ内容を発表することで、効率的に知識を吸収できます。
また、周囲が就職活動を進める中で、自分の選択に不安を感じることもあるかもしれません。
しかし、仲間と協力することでモチベーションを保ち、前向きに進めることができます。そのため、勉強会の頻度や内容を柔軟に調整しながら、継続的に取り組むことがポイントです。
最後まで努力を続けることで、この基礎固めが後の研究に大きな助けとなるでしょう。
3年生の夏休み:資格試験や先輩との交流を活用する
3年生の夏休みは、講義もなくなり時間に少し余裕ができることから、資格試験や先輩との交流を通じて研究やキャリアの準備を進める絶好の機会です。
TOEICや専門分野に関する資格試験に挑めば、院試や研究に必要なスキルを高めるだけでなく、履歴書に書ける実績も得られます。
また、外部進学を考えている場合は、この時期に志望研究室の資料を確認したり、研究室訪問するのも効果的だと思います。大学が静かな夏休み中は先輩たちも比較的時間に余裕があるため、アドバイスをもらいやすい環境です。
(国際学会目指している人や論文を書いている優秀な先輩は忙しいかもしれないが、そういう人こそ15分とか相談乗るぐらいだったら喜んでやってくれる勝手な印象)
これらは、秋以降の研究テーマ探しや過ごし方の戦略決めにも大いに役立ちます。
3年生の秋学期:研究分野の探索と論文リサーチ
3年秋学期は、いよいよ自分の研究分野を具体的に調べていく時期です。
この段階では、まず幅広い分野に触れ、興味を持てるテーマを見つけることを目指します。
(研究室内で統一された研究テーマがある場合は、このテーマ探しにかかる時間を大幅に短縮できます。)
最初は日本語の文献やネット記事を活用することで、研究内容の概要をつかむと良いでしょう。
ただし、日本語の情報は内容が浅かったり、偏りがあることも多いため、徐々に英語の論文を読むようにしてください。
資料探しは当然、「巨人の肩の上に立つ」で有名なGoogle Scholarなどを使って英語論文を探すことが有効です。最近はとっかかりとして、AIを活用するのも手ではあります。
さらに、先輩の卒論や修論を参考にするのも良い方法です。これらの資料は査読がされていないため、すべてが正確とは限りませんが、基本的な内容が丁寧に書かれていることが多く、初心者にも理解しやすい場合があります。
ただし、この時期は調べる範囲が広がりすぎて、方向性を見失いやすいこともあります。
そこで、先輩や教授にアドバイスを求めたり、定期的に進捗を確認する時間を設けると良いでしょう。
研究分野の探索は時間がかかりますが、ここで決めた研究分野をしっかり固められるほど、このあとの自分が楽になります。一方で、曖昧なテーマ選びをし、半年とかでテーマが変わってしまうとまたこのフェーズを一から再スタートとなるので非常に重要なステップとなります。
3年生の1月から4年生の春:研究テーマ決定と深掘り
3年生の1月から4年生の春にかけては、春休みとか言ってられません。自分の研究テーマを徐々に絞り込み、深掘りを進める期間です。続きは後編の記事で
