この記事でわかること

あきら✅ 学会発表10件を重ね、業績優秀者返還免除で全額免除を取得
✅ 学部内の2枠に入った(賢さよりコツコツ継続が決め手)
✅ 研究と就活を両立しながら審査に通った戦略を整理
JASSO第一種を借りている院生なら、返還免除を一度は気にするはずです。
でも実際は、”何をすれば評価されるのか”がかなりわかりにくいですよね。
私は修士で第一種を借りていました。月8.8万円 × 24か月(2年)= 約211万円。これがまるごと全額免除になりました。
この記事では、審査で意識したことと、コツコツ型でも狙える動きを実体験ベースで整理します。
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業績優秀者返還免除とは?基本を押さえておこう
JASSOの「業績優秀者」は誰が選ぶ?
業績優秀者返還免除は、大学院で第一種奨学金(無利子)を借りた人が対象の制度です。第二種は対象になりません。枠はその年度に貸与が終わる第一種奨学生の30%以内で、大学ごと・課程ごとに配分されます。その枠の中で全額免除と半額免除に分かれます(出典:JASSO公式)。
しかも全国一斉の試験ではなくて、大学が学内で選んで推薦し、それをJASSOの委員会が審議して決める流れです。つまり自分の専攻・研究科の中での相対評価なんですよね。だから「賢い人が多い専攻に入ってしまった」と嘆く必要はなくて、一定のペースで続けていれば相対的に上に行けます。
割合の感覚もつかんでおくと動きやすいです。JASSOが公表している直近の認定結果では、大学院第一種の貸与終了者のうち、全額免除がおよそ1割、半額免除がおよそ2割でした(出典:JASSO 認定結果の公表)。ただし枠は大学・課程ごとの配分なので、自分の研究科でどのくらいなのかは事務室で聞くのが確実です。
いつ申請して、いつ結果が来る?
学内の申請締め切りは、私の大学ではM2の1月上旬でした。ただし時期は大学・研究科で違うので、ここは自分の所属で確認してください。大事なのは、この締め切り時点までに出した業績で評価されるという点。あとから「やっぱりこれも」と足すことはできないので、年明けに慌てないよう前倒しで出しておきたいところです。
もう一つ、JASSO側のルールとして、申請できるのは貸与が終わった月が属する年度だけです。修了した年度と同じとは限らないので、ここを取り違えると申請そのものができなくなります。
結果は修了してしばらく経ってから届きます。私は社会人3ヶ月目でした。就職後にタイムラグがあるぶん、院生のうちに動いておかないと手遅れになります。
前提:そもそも第一種は借りられるのか
この免除は、第一種を借りている人だけの制度です。そして大学院の第一種は、学部のときより通りやすい構造になっています。
「うちは年収が高いから無理」と最初から外している方がいますが、それは学部のときの話です。院からは前提が変わります。
大学院の家計基準は「本人と配偶者」の収入で見る
学部の奨学金は親(生計維持者)の収入で判定されます。ところが大学院の第一種は、申込者本人と配偶者の住民税情報で判定されます。親の年収は関係ありません。
配偶者がいない場合の目安は、修士課程相当だと次のとおりです。
| 課程 | 給与所得の人 | それ以外の人 |
|---|---|---|
| 修士課程相当 | 年間の給与収入 299万円まで | 年間の所得 364万円まで |
| 博士課程相当 | 年間の給与収入 340万円まで | 年間の所得 503万円まで |
TAやバイトをしている院生でも、この額を超えることはそう多くないと思います。配偶者がいる場合は金額が変わるので、そこは学校に確認してください。「調べる前に諦める」が一番もったいないところです。
第一種は無利子。第二種は近年、利率が上がっている
第一種は無利子なので、借りた額をそのまま返すだけです。免除を狙わなかったとしても、借りること自体で損はしません。
一方の第二種は有利子で、しかも利率が上がってきています。2026年3月に貸与が終わった人の場合、固定方式で年2.423%、利率見直し方式で年1.700%でした(JASSO)。上限は年3%と決まっていますが、数年前の水準と比べるとかなり上がっています。
しかも業績優秀者返還免除の対象は第一種だけです。第二種には免除の仕組みがありません。狙うならまず第一種、という順番になります。
審査で見られる4つのポイント
評価項目も配点も、大学や研究科によってけっこう変わります。なので最終的には、自分が所属する事務室に直接聞きに行くのが確実です。そのうえで一般論として、だいたいこの4項目が評価対象になります。
| 評価項目 | 重み | コメント |
|---|---|---|
| 学会発表 | ★★★ | 件数・内容ともに評価が大きい。回数を重ねやすい |
| 論文(査読あり) | ★★★ | 評価は大きいが難易度も高い。書けるなら強力な武器 |
| TA(ティーチングアシスタント) | ★ | 加点にはなるが、これだけで差はつかない |
| 成績 | ★★ | GPAが高いに越したことはないが、研究成果が優先 |
論文は書けたら強い。でも、なくても諦めなくていい
査読ありの学術論文は、審査での評価がかなり高いです。ただ正直、修士2年で論文を通すのはシンプルに難しい。投稿してから審査・修正のやり取りを何度もして、掲載まで時間もかかる……。
私自身、申請の締め切り時点で査読論文は1本もありませんでした。しかも博士に進む予定もなく、修士で就職しています。それでも全額免除になりました。だから「論文がないから」「博士に行かないから」と諦めるのは早いんです。学会発表・成績・TA経験のように、1つずつの点は小さくても、重ねていけば全額まで届きます。
TAは「ないよりまし」程度
TAをやること自体は悪くないんですが、TAの有無で審査がガラッと変わる印象はなかったです。研究時間を削ってまで増やすのはちょっと違うかな、という感じ。
学会発表10件を積み上げた戦略
なぜ「学会発表の件数」が武器になるか
論文と違って、学会発表は短い間隔で回数を重ねられるんですよね。国内の小さな勉強会・研究会レベルでも発表実績として数えられる場合があります(専攻の方針による)。
私は修士2年間で10件出したんですが、「多いね!」とよく言われてました。でもやっていることは単純で、発表できる場があれば積極的に応募しただけなんです。
10件積んだ具体的な動き方
- 指導教員に「次に出せる学会はありますか?」と定期的に聞く
- 国内学会・研究会・ポスター発表など、規模を問わず出る
- 発表ごとに内容を少しずつ発展させ、次の発表につなげる
- 「完璧な研究じゃないと出せない」と思わず、まず出す
学会の遠征が増えてくると、宿泊費をどう抑えるかも案外大きな問題になってきます。私はアジア圏の学会でよくアゴダを使っていて、他のサイトより安く取れることが多かったです。気になる方は一度比較してみてください。
学会発表を10件と言うと多く聞こえますが、やったのは完璧を待たずに「まず出す」を繰り返しただけ。これこそ「コツコツ型」が得意とする戦略で、天才的なひらめきはいりません。
件数を重ねるのと並行して、国際学会に一度でも出ておくと審査での見え方が変わってくると感じています。国内学会と国際学会では評価の重みが違うと言われていて、私は修士の間に3回出ておきました。国際学会の初参加に向けて何をどう準備したかは、別の記事に書いています。


「すごい研究じゃないと出せない」は思い込みです
学会に初めて出ると、周りの発表クオリティに圧倒されることがあります。「自分の研究なんてまだまだ……」っていう気持ち、すごくわかりますよね笑。
でも発表の場に立つこと自体に価値があって、フィードバックをもらうことで研究が深まって、それがまた次の発表につながる。出すたびに研究が前に進んでいく感じがあるんです。
周りが脱落していくリアル
賢い人ほど途中で止まる
院生活でとくに驚いたのが、明らかに私より頭のいい人が途中で止まっていくことでした。
学部でも成績優秀だった同期が、院に入ってから研究ペースが落ちていって、発表実績がほとんど残らないまま修了してしまう。そういうことが普通にあったんです。なんでだろうって見てたんですが、理由はだいたい共通していました。
脱落パターンに共通すること
夜型生活になる
M1の後半くらいから、夜型にシフトしていく人が増えてくるんですよね。昼夜逆転してくると指導教員とのミーティングや学内イベントに出づらくなって、情報も入らなくなってくる。気づいたときには研究ペースが大幅に落ちてた……っていうパターンです。
バイトや趣味を優先しすぎる
院生って時間の自由度が高いじゃないですか。そこに甘えると研究が後回しになりやすくて。バイト自体は全然いいんですが、研究時間が明らかに足りない状態のまま1年経つと、発表実績がほぼゼロになってしまう……。
メンタルが崩れる
研究ってなかなか結果が出ないことの方が多いんですよね。うまくいかない時期に孤独を感じてモチベーションが落ち、そのまま止まってしまう人もいました。
最後に残るのは、続けられたかどうか
私はとくに賢くなかった笑。でも一定のペースを保って研究を続けたことだけは自信があります。朝型の生活を維持して、提出物の期限は落とさないようにして、発表できる場には出続けた。それだけのことが、最終的に約211万円の差になりました。
自己マネジメントが合否を分ける
「研究成果」の土台は生活習慣
学会発表・論文が直接の評価ポイントですが、その土台になるのは毎日の自己管理なんですよね。
- 朝型生活を維持する:昼に研究室にいると、教授や先輩から自然と情報が入ってきます。学会の応募締め切りや発表機会も逃しにくくなる。私は朝起きたらまずコーヒーを飲む→研究室に行くという流れを固定してました。器具にこだわるとそれ自体が楽しくなるのでおすすめです。→ HARIO公式ショップはこちら


- 提出物の期限を落とさない:奨学金の継続申請など、期限が決まった書類があります。「遅れて減点」は防げることなので、ここは押さえておきたいところ。
- 春のオリエンテーションに出る:免除制度の説明や申請スケジュールの案内があることが多いです。M1の最初に把握しておくだけで動き出しが全然違う。
学部のうちから動いておくと、院に入ってから余裕が出る
ふり返って効いたのは、学部生の頃から研究室に通って、研究を少し前倒しで進めていたことかもしれません。早めの貯金があったぶん、院に入ってから追い込まれすぎずに実績を残せました。
それに、研究室に顔を出していると先輩や先生と自然に仲良くなります。私はそのおかげでこの免除制度の存在を早い段階で知れて、学内の関連資料もすぐ取り寄せられて、「何が評価されるのか」を先につかめました。制度は、知っているかどうかで動き出しが大きく変わります。


小さな選択が2年後に大きな差をつくる
大学院生活って自由に見えて、実は「淡々と続ける意志力」が試される場所なんですよね。バイトを少し減らして研究時間を確保する、夜更かしを控えて翌朝の集中力を守る。そういう小さな選択の積み重ねが、2年後にはっきり差になって出てきます。
習慣化の具体的な方法が知りたい方はこちらも読んでみてください。


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まとめ:コツコツ型が最後に笑う
業績優秀者返還免除は、全員が取れる制度ではないけれど、特別な才能がないと取れない制度でもないんですよね。
私がやったことをまとめると:
- 学会発表を10件コツコツ重ねた(出られる場には全部出た)
- 朝型生活を維持して、研究ペースを一定に保った
- 提出物の期限を落とさず、申請書類で減点されなかった
- 春のオリエンテーションで仕組みを把握し、早めに動いた
天才的な研究成果じゃなくて、継続と自己管理が結果に繋がりました。
その継続の時間をどう空けるかも大事で、バイトを減らす判断については別記事にまとめています。


免除のありがたみが分かるのは、修了したあとです
免除の本当のありがたさは、修了してから分かりました。返す前提で考えていた金額を返さなくてよくなるので、その分がそのまま次のライフイベントに使えるお金になります。
私の場合は、学生を終えるタイミングで結婚に向けて動くことになりました。まとまったお金が必要な場面でしたが、免除が決まっていたおかげで見通しが立てやすかったです。院生時代に取り組んできたことが、そのまま生活の余裕に変わった感覚でした。
在学中は「返済がしんどそう」という不安のほうが大きいと思います。ただ免除は、その不安を消すだけでなく、修了後の選択肢そのものを広げてくれます。申請しないと始まらないので、少しでも可能性があるなら動いておいてほしいです。


約211万円が免除された通知が届いたとき、「続けてきてよかったな〜」と心の底から思いました笑。
まだM1の人は今すぐ動いてください! M2の人も全然遅くない。出せる学会があれば、まず出てみましょう。
返還免除について理解できたら、次は学部4年から修士に向けて何を準備すべきかを確認しておきましょう。


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