# 国際学会 初参加の準備と注意点|3回経験した院生が解説
この記事でわかること
修士の間に、アジアとヨーロッパで計3回、国際学会に参加しました。全部発表者として、英語での口頭発表とポスター発表、両方を経験しています。
正直なところ、初参加は不安が大きかったです。英語で発表できるか、Q&Aで詰められたらどうしようとか、海外での動き方がわからないとか。でも終わってみると、国内の学会とは全然違う体験で、やって良かったと素直に思えました。
この記事では、発表の準備から現地でのお金のこと、英語Q&Aのリアルまで、自分が体験して気になったことをまとめておきます。これから参加を考えている方の参考になれば。
※本記事にはプロモーションが含まれます。
国際学会に出ると何が変わるか
JASSO業績優秀者返還免除での評価
大学院でJASSO第一種奨学金を借りている場合、返還免除の審査に学会発表の実績が反映されます。そのなかで、国内学会と国際学会では評価の重みが違うと言われています。
明示されている制度ではないので、どれだけ差があるかは専攻や大学によりますが、同じ発表でも国際学会の方が印象が良くなるのは確かです。件数を積むにあたっても、国内だけでなく1〜2本国際学会を入れておくと、審査での見え方が変わると思います。
返還免除を狙っている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

就活・キャリアへの影響
英語での発表経験は、就職活動で「英語が使える」ことを具体的に話せる材料になります。TOEICのスコアだけでなく、「国際学会で発表し、英語でQ&Aをこなした」という経験は、特に研究職・専門職の面接でリアリティがあります。
また、海外の研究者とやりとりする感覚は、国内にいるだけでは得られません。純粋に視野が広がる経験でもあります。
院生でも学部生でも挑戦できる
参加資格は基本的に発表要旨を提出して採択されることだけなので、学部生でも出ることはできます。院生のほうが圧倒的に多いですが、早い段階で一度経験しておくと、修士での動き方が変わります。
学部から学会に出ることのメリットについては別記事で詳しく書いています。

発表準備:一番大事なのは英語の抄録
まずは日本語で書いて、英訳・校正する
発表要旨(アブストラクト)の英語は、最初から英語で書こうとしなくていいです。日本語でしっかり内容を書いてから、AI翻訳を使って英語にして、最後に校正サービスに出すという流れが現実的です。
使ったのはEditage(エディテージ)という学術英文校正サービスで、研究者の間ではよく知られています。ネイティブの専門家が内容を理解した上で校正してくれるので、AIだけの翻訳よりも完成度が上がります。特にアブストラクトは採択の可否に直結するので、一度は専門家の目を通した方が安心です。
発表準備に関連する書籍や英語論文の書き方本を探す方は、こちらのリンクから探してみてください。
スライドの英語化は分量と時間がかかる
アブストラクトを出してから採択通知が来るまで少し時間があるので、その間にスライドの英語化を進めます。ただ、スライドは想像以上に分量があるので、採択後に焦って作るのはきついです。採択が出る前から少しずつ準備を始めておくのが現実的です。
スライド自体の英語は、アブストラクトほど凝った表現でなくてもよく、シンプルで明確な英語の方がむしろ伝わりやすいです。
想定Q&Aは日本語で準備でもいい
Q&Aへの恐怖は、事前にある程度想定問答を準備することで和らぎます。指導教員や研究室の先輩に「どんな質問が来そうか」を相談してリストを作り、日本語で自分の回答を整理しておく。英語での受け答えは本番で対応するとして、「何を言えばいいか」を先に決めておくと焦りが減ります。
実際のところ、英語Q&Aで一番難しいのは「聞き取り」です。相手の質問が聞き取れないことへの不安の方が、話すこと以上にストレスになりました。質問が聞き取れなかったときは、”Could you say that again?” “Could you clarify the question?” など、聞き返す言い回しをいくつか頭に入れておくと安心です。
お金のこと:立て替え後精算の仕組みを理解しておく
大学からの補助は「後払い」が基本
国際学会への参加にあたって、大学から参加費の補助が出る場合があります。ただ、これは「参加後に領収書を提出して精算してもらう」形が多く、最初は自分で立て替えます。参加費だけで数万円かかることもあるので、精算が1〜2ヶ月後になることを想定して、一時的な支出に備えておく必要があります。
補助の上限や対象範囲(参加費だけか、交通費・宿泊費も含むか)は大学や専攻ごとに違うので、早めに指導教員か事務に確認しておくことをすすめます。
海外旅行保険は必ず入る
海外での急な体調不良や、盗難・紛失のリスクを考えると、旅行保険は必須です。クレジットカード付帯の保険で対応できる場合もありますが、カードによって補償内容に差があるため、内容を事前に確認しておくのが安心です。
専用の旅行保険は1週間程度であれば数千円程度で加入できます。学会の場合は発表があるので、万が一のときに「保険があった」という安心感だけでもあると動きやすいです。
宿泊費は早めに予約するほど安い
学会は参加者が集中するため、会場近くのホテルは早期に埋まりやすいです。採択通知が出た後すぐに予約を入れるのが一番コストを抑えやすいです。
海外ホテルの格安予約には、国内外のホテルを比較して予約できるサービスが便利です。
現地でのリアル:英語対応とお金のトラブル回避
英語チェックインは大体なんとかなる
ホテルのチェックインは、相手も慣れているので思っているより困りません。名前・予約番号・クレジットカードがあれば基本的に進みます。ただ最初は緊張するので、「チェックイン用の英語フレーズ」を数個確認してから行くと落ち着いて対応できます。
問題が起きたときの方が大事で、「部屋に問題がある」「予約が見当たらない」などのやりとりになったときに焦らずに対応できるよう、確認の流れを頭に入れておくと良いです。
DCC(動的通貨換算)には必ず断る
海外のホテルや店でクレジットカード払いをするとき、「日本円で支払いますか?」と聞かれることがあります。これはDCC(Dynamic Currency Conversion)という仕組みで、現地通貨ではなく日本円で決済する方式です。
一見便利に見えますが、換算レートが銀行のレートより悪く設定されているため、実質的に高く支払うことになります。DCCを提示されたら、必ず「現地通貨で払う」と答えるか、端末操作で現地通貨を選択してください。「Pay in local currency」「No, in local currency」で断れます。
クレジットカードはVisaかMastercardで
JCBは国内では使いやすいですが、海外では使えない場所が多いです。国際学会への参加に合わせて、VisaかMastercardのカードを用意しておくことをすすめます。
カード選びについては別記事で整理しています。

英語力について:完璧じゃなくていい
実際に参加してみて感じたのは、「完璧な英語でなくても発表はできる」ということです。国際学会には英語が母語でない参加者もたくさんいて、発表者の英語は多種多様です。
一番重要なのは、内容が伝わること。スライドがわかりやすく、話すスピードが適切であれば、ネイティブ並みの発音でなくても問題はありません。
むしろ英語力よりも「英語で発表するという経験」の価値の方が大きいです。一度経験すると、次回以降の心理的なハードルが大きく下がります。
発表前に英語での口頭説明を練習したい場合は、オンライン英会話でビジネス英語のやりとりに慣れておくのも有効です。移動時間や隙間時間に音声で英語に触れておくだけでも、本番の聞き取りのしやすさが変わります。

移動中や隙間時間に英語の耳を鍛えるには、AmazonのオーディオブックAudibleも使いやすいです。![]()
まとめ
国際学会の参加に向けて整理しておくと、
- 発表準備: 日本語で書いてから英訳・校正→スライド英語化→想定Q&A準備
- お金: 大学補助の上限・精算タイミングを事前確認、旅行保険は必須、ホテルは早期予約
- 現地: JCBは避けてVisa/Master、DCCは必ず断る、チェックインは慣れればなんとかなる
- 英語: 完璧な英語でなくても伝わる。聞き取れなかったときの対応を準備しておく
一度参加すると、「次はもっとうまくできる」という感覚を持って帰れます。JASSO免除の実績を積む意味でも、純粋な経験値としても、チャンスがあれば早めに挑戦してみてほしいです。
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