# 学会発表を学部から始めた話|2年先を見ると院生生活の全部が変わる
この記事でわかること

修士2年・JASSO全額免除内定。学部3年から研究会で発表し、4年で国内学会、修士で国際学会と積み上げてきた経験をもとに書いています。
周りがまだサークルやバイトに集中している学部3年のとき、学会発表なんて自分には早すぎると感じていませんか?
この記事では、学会発表を学部のうちから始めることで何が変わるかを、実体験をもとに整理してみます。
私自身、学部3年から研究会に参加して発表し始めたことが、後のJASSOの全額免除・就活・今の生活全体にちゃんとつながっているなと感じています。
同学年のペースに合わせるより、「2年上の先輩を見て、1年上に並ぶ意識で動く」ことが、院生生活の全部を好転させる近道だと思っています。
学会発表・国際学会って何?(学部生向け入門)
まず簡単に整理しておきますね。
学会発表とは、自分の研究成果をまとめて同じ分野の研究者の前で発表すること。国内学会は日本国内の研究者が集まる場で、国際学会は海外の研究者も参加し、発表は基本的に英語になります。
「発表」というと完成度の高い研究が必要な気がするかもしれませんが、学会って「現時点での進捗を共有して議論する場」でもあるんですよね。だから学部生でも、途中の成果で参加できる機会があったりします。
ただ、いきなり本番の学会から入ることはほとんどなくて、多くの場合は、
研究室内の発表 → 研究会(複数研究室が集まる小規模な集会)→ 国内学会 → 国際学会
という順番で経験を積んでいくイメージです。この流れとスケジュール感を、先輩や先生から早めに教わっておくのが最初の一歩かなと思います。研究室や分野によってタイミングは前後するので、実際の研究室を見るのが一番正確な情報源になりますよ。
「2年先を見て、1年上に並ぶ」という感覚
ちょうどいい目標の見つけ方
同学年を基準にしてしまうと、どうしてもペースが緩みやすいんですよね。かといって研究室で一番できる先輩を目標にすると、遠すぎて動けなくなることもあって……。
私が意識していたのは、「2年上の先輩のスケジュールを見ながら、1年上の代に並べるように動く」というくらいの肌感覚です。
同学年にも頑張っている人はいるし、手を抜いている人もいますよね。先輩も同じで、すごく優秀な人もいればゆるく進めている人もいます。その中間ぐらいを狙うような感覚が、長続きしやすいと思います。
研究室に長くいると見えてくるものがある
最初は右も左もわからない状態だと思いますが、そのときに一番効くのが、研究室にとにかく長い時間いることだと思っています。
先輩が何をしていて、どの時期に追われていて、逆にどの時期に余裕がありそうかが、自然と見えてくるんですよね。
そうなってくると動き方がわかってきます。余裕のある時期は淡々と進めて、忙しくなりそうな時期の少し前に動き出す。そのリズムで動くだけで、気づけば先輩のペースより少し早く進んでいたりします。学会当日に「完璧な準備」で臨める発表はほぼないと思うんですけど、周りより少し先にいる状態を作れれば十分かなと。
基礎の勉強は省略しない方がいいです
ひとつ気をつけてほしいことがあって、先輩が研究発表できているのは、基礎理論をある程度積んだ上でのことなんですよね。いきなり学会発表を目指しても、土台がないと研究自体がなかなか進みません。
今はAIで論文を効率よく読めるようになりましたが、原文を自分の目で確認する習慣は持っておいた方がいいと思います。さらうところはAIに任せて、深掘りや判断のときは原文に戻る、というスタイルが現実的かなと感じています。
①学会発表がJASSOの返還免除につながる
学会発表を積み重ねることで変わってくるのが、JASSOの返還免除の可能性です。
JASSOの第一種奨学金(無利子)には、修士修了時に成績・研究業績が優秀な人の返還が免除される制度があります。審査では、学会発表の実績が業績として評価されるんですよね。
学部のうちから発表を始めておくと、修士に進んだときにその積み上げを活かしやすくなりますよ。
審査の考え方や実際にやったことは別記事で整理しているので、合わせて読んでみてください。

②就活での話しやすさが全然変わる
研究が進むと「雑用」も来る。それが材料になる
研究を真面目に進めていると、教授や先輩から信頼されて研究室の雑用や後輩対応が降ってくるようになります。一見面倒に感じるかもしれないんですけど、これが就活でけっこう大きな材料になるんですよね。
研究を進めながら雑用をこなす = マルチタスク・時間管理・周囲との調整を同時にやっている状態なので、それを自分の言葉で話せれば、「社会が求めている人材像」をそのまま体現している状態に近いんだと思います。そうなれると、就活はわりとスムーズに進みやすいですよ。
研究内容は話しすぎない方がいいです
ただし一点、気をつけてほしいことがあって、研究内容の具体的な話をしすぎると面接官を置いてけぼりにしてしまいやすいんですよね。
「〇〇の分野で学会発表を経験しました」「現在も研究を続けています」くらいに留めて、プロセスと姿勢を話す方が伝わりやすいと思います。頑張ったこととと、企業に刺さることは、少し別の話だったりするので、そこは気をつけていただければと思います。
就活と院進の判断軸については、こちらも参考になると思います。

③バイトを絞ることで、むしろ全部が充実する
バイトを完全に辞めるのは逆効果になりやすいです
研究に集中しようとして、バイトを完全に辞めた友人がいたんですが、結果的に研究室だけが所属先になってしまって、成果が思うように出ない時期に行き場を失って精神的につらくなっていたんですよね……。
バイトを続けることで息抜きになる、切り替えができる、所属先が複数になるという効果があって、それだけでもストレスの分散にけっこうなるんです。職場に「研究が忙しくなるので週1〜2回に減らしたい」と伝えると、続けてきたバイトなら多くの場合は理解してもらえると思いますよ。
ちょっとラーメン食べに行こうとか、飲み会しようとか、そういうつながりを細々と続けられるくらいの余白が残るのが大事だなと感じています。
月3〜4万で足りない分は、親への根回しで乗り越えていく
週1〜2回・1回4時間ほどで月3〜4万円。少ないと感じるかもしれませんが、それぐらい削らないと1年上の代に並べる状態にはなかなかなれないと思っていて、そこは割り切っていくしかないかなと。
足りない分は、親への相談が現実的だと思います。ただし、いきなり「お金貸して」は通じないんですよね……。
日頃から研究や勉強の状況を小出しに伝えておくことがかなり効きます。学会に参加したときに写真を送る、どんな研究をしているか折に触れて話す。そういう積み重ねで「この子は本当に頑張っているんだな」という信頼感が生まれてきます。誠実さで勝ち取っていくイメージですね。
特に、学部4年〜修士1年の7月ごろまではJASSOの奨学金が入ってこない空白期間になりやすくて、お金が本当に底をつきやすい時期があります。学部3年のうちにある程度蓄えておくか、親への根回しを早めに始めるか、どちらかは考えておいた方がいいかなと思います。
借りたお金は、院卒で就職すれば早い段階で返せます。長い目で見れば、今ここに投資しておくのは悪くない選択だと思っていますよ。あくまで個人の話ですが。
お金も時間もない時期にできた関係は、本物だと思う
少し余談になるんですけど、書いておきたいことがあって。
忙しくなるほど、目の前の時間を大切に使うようになるんですよね。長時間だらだら過ごすよりも、短時間で濃く関わることで、関係が深まりやすくなる気がしています。そういう状態を応援してくれる人、頑張れる自分を支えてくれる人に囲まれると、やりたいことに一生懸命時間を使える環境が自然と揃ってきます。
お金も時間もない時期に一緒にいてくれる人って、本当に貴重だと思います。 そうそう現れないので、社会人になって稼げるようになった直後に、ぜひそういう関係を大切にしてほしいなと思っています。
相手の不満がたまらないよう気を配ることも大事で、共通の知人に話を聞いてもらえる環境を作っておくとか、責められる時間を少し用意しておくとか、そういう細かいところにも気を配りながら進めていただければと思います。
この時期の関係についてより詳しく書いた記事があるので、合わせて読んでみてください。

学部3・4年で今すぐできること
まとめ
- 学部3年から研究会・勉強会に参加・発表することはできます
- 目標は「2年上を見ながら、1年上に並ぶ」ぐらいのペース感で
- 発表実績はJASSOの返還免除審査に直接つながってきます
- 就活では研究内容より「プロセスと姿勢」を話せる人間になれます
- バイトは辞めず週1〜2に絞る。足りない分は親に誠実に積み上げて伝える
- お金も時間もない時期の関係は、本物だと思って大切にしてほしいです
同学年のペースに合わせる必要はないですし、かといって無理に全部捨てる必要もないと思います。削れるところを削りながら、少しずつ前に進めていく。それだけで、数年後にはけっこう大きな差になりますよ。
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